免疫 
受容体ランデブー

Immunology
Receptor Rendezvous

Editor's Choice

Sci. Signal., 17 June 2008
Vol. 1, Issue 24, p. ec220
[DOI: 10.1126/scisignal.124ec220]

L. Bryan Ray

Science, Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : 生物をウイルス感染から防御するB細胞系は、この系が検出する分子(非メチル化DNAなど)が宿主細胞由来であることもあり、また過剰な防御は自己免疫疾患を引き起こすことがあるので、紙一重の所で機能している。Chaturvediらは、適応性免疫系および自然免疫系の構成分子(それぞれB細胞受容体(BCR)およびToll様受容体9(TLR9))が、どのように協同してDNA含有抗原を検出するのかに関する新たな洞察について述べている。BCRは主に細胞表面で作用すると考えられているが、TLR9は通常はエンドソームの小胞に存在するので、その答えは明確ではなかった。著者らは、共焦点蛍光顕微鏡法および免疫電子顕微鏡法を用いて、BCRが活性化されたマウスB細胞において、TLR9がオートファゴソームに局在を変化させることを示した。細胞が非メチル化DNAによりTLR9のみを介して刺激されると、リン酸化された(つまり活性化された)p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)はエンドソームにのみ検出された。しかし、BCRが免疫グロブリンM(IgM)に対する抗体(単独またはTLR9を活性化するDNAとともに)で活性化されると、p38は大型のオートファゴソーム様構造に検出された。BCRの細胞内移行の阻害薬で細胞を処理(初期のシグナル伝達は依然として可能)するとTLR9の局在変化が阻害されたことから、このコンパートメントへのTLR9のリクルートはBCRの物理的細胞内移行に依存すると考えられた。ホスホリパーゼD(PLD)を薬理学的に阻害することにより、BCRに応答するPLDの活性化がTLR9のオートファゴソームへのリクルートに必要であることが明らかになった。解説のなかで、MonroeおよびKeirは、BCRにより輸送される抗原積み荷分子中の非メチル化DNAとTLRが相互作用できる小胞に、BCRとTLRの協同がどのようにして空間的に限定されるように見えるのかについて考察している。また、本稿は、免疫受容体によるシグナル伝達の空間的編成および細胞内移行したBCRが細胞膜から離れた後の持続的シグナル伝達など、さらなる探索に新たな領域を開いたことを強調している。

A. Chaturvedi, D. Dorward, S. K. Pierce, The B cell receptor governs the subcellular location of Toll-like receptor 9 leading to hyperresponses to DNA-containing antigens. Immunity 28, 799-809 (2008). [PubMed]
J. G. Monroe, M. E. Keir, Bridging Toll-like- and B cell-receptor signaling: Meet me at the autophagosome. Immunity 28, 729-731 (2008). [PubMed]

L. B. Ray, Receptor Rendezvous. Sci. Signal. 1, ec220 (2008).

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