知覚 潜在性の反応?

Sensory Perception
A Cryptic Response?

Editor's Choice

Sci. Signal., 26 August 2008
Vol. 1, Issue 34, p. ec299
[DOI: 10.1126/scisignal.134ec299]

Elizabeth M. Adler

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : イモリ、ハチ、渡り鳥、および様々な他の動物は、地球の磁場を感知し、これを手がかりに定位と進路決定を行う。この能力の根底にある機構として、光受容器による光吸収を通して開始される化学反応の磁場による調節の関与が提唱されている。Gegearらは、ショウジョウバエの磁場受容におけるクリプトクロームの役割について検討した。ショウジョウバエ(Drosophila)のクリプトクロームは、紫外線Aおよび青色光に感受性がある光受容器であり、概日時計をリセットする機能を果たす。ハエにT迷路の磁場を発生させた側と磁場を発生させていない側のどちらに入るかを選択させるという行動学的アッセイによって、訓練を受けたハエと訓練を受けたことがないハエの反応を分析した。訓練前に磁場に対して反応(回避)を示したのは一部の系統のハエだけであったが、磁場とショ糖による報酬を結びつけるよう訓練した後は、検討したすべての系統が磁場のある側を選んだ。しかし、短波長の光(紫外線Aおよび青色光)を遮断すると訓練前のハエも訓練後のハエも選択性を示さなかった。さらに、クリプトクロームを欠失させた変異ハエは、磁場の存在に対する訓練前の反応および訓練後の反応のいずれも示さなかった。対照的に、連続照明に曝露することで概日時計機能を混乱させても、磁場に対する行動反応を消失させることはできなかった。このように、クリプトクロームは、ショウジョウバエの磁場受容に重要な役割を果たすと考えられる。Rouyerは解説記事において、(移動しない)ショウジョウバエがなぜ磁場を感知する必要があるのかは明らかでないと述べている。

R. J. Gegear, A. Casselman, S. Waddell, S. M. Reppert, Cryptochrome mediates light-dependent magnetosensitivity in Drosophila. Nature 454, 1014-1018 (2008). [PubMed]

F. Rouyer, Mutant flies lack magnetic sense. Nature 454, 949-951 (2008). [PubMed]

E. M. Adler, A Cryptic Response? Sci. Signal. 1, ec299 (2008).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る