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血圧コントロール:もう一つのガス!

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Blood Pressure Control: It’s (Another) Gas!

Editor's Choice

Sci. Signal., 28 October 2008
Vol. 1, Issue 43, p. ec367
[DOI: 10.1126/scisignal.143ec367]

Paula A. Kiberstis

Science, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : ガス性シグナル分子一酸化窒素が血管拡張および血流を調節するという1980年代の発見は生物医学の研究に革命をもたらし、最も有名なところでは、バイアグラなどの新たな勃起不全治療薬が開発されるに至った。Yangらは硫化水素(H2S)も血管機能を制御することを明らかにした。このガスは卵の腐乱臭の原因であり、動物を冬眠様状態にすることが最近示されている。H2S産生酵素であるシスタチオニンγ-リアーゼが遺伝的に欠損したマウスでは、加齢性高血圧が発症し、血管弛緩促進治療に対する血管反応が阻害されていた。H2Sが窒素酸化物同様、血圧を調節するという今回の知見により、血管障害に対する新たな治療法開発に道筋が付けられた。

G. Yang, L. Wu, B. Jiang, W. Yang, J. Qi, K. Cao, Q. Meng, A. K. Mustafa, W. Mu, S. Zhang, S. H. Snyder, R. Wang, H2S as a physiologic vasorelaxant: Hypertension in mice with deletion of cystathionine γ-lyase. Science 322, 587-590 (2008). [Abstract] [Full Text]

P. A. Kiberstis, Blood Pressure Control: It’s (Another) Gas! Sci. Signal. 1, ec367 (2008).

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