免疫学
“DARC”な面を見る

Immunology
Turning to the DARC Side

Editor's Choice

Sci. Signal., 23 December 2008
Vol. 1, Issue 51, p. ec438
[DOI: 10.1126/scisignal.151ec438]

Elizabeth M. Adler

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : ケモカインは白血球上のGタンパク質共役受容体(GPCR)と結合し、白血球を循環系から炎症部位に動員するような細胞内シグナル伝達経路を誘起する。細静脈内皮細胞中に存在するDuffy抗原ケモカイン受容体(DARC)もGPCRと同様の7回膜貫通型受容体であるが、Gタンパク質とは共役せず、同一ファミリーの他の非シグナル伝達受容体のように、ケモカインと結合して、それらをリソソームで分解するために細胞内移行させる「おとり受容体」として作用するとされている。Pruensterらは免疫電子顕微鏡法によって、DARC結合ケモカインをex vivoでヒト皮膚に注入すると、ケモカインと受容体が、細胞内小胞だけでなく、細静脈内皮細胞の管腔側と非管腔側表面でも共局在することを示した。DARCをトランスフェクションしたMadin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞の単層の基底側表面に同族ケモカインを添加すると、細胞内小胞を介してDARCおよび結合しているケモカインの頂端膜側への再分布を惹起した。MDCKまたはヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の単層を用いて細胞分画する実験では、DARCは分解されていない125I標識ケモカインの基底側面から頂端面方向へのトランスサイトーシスを促進し、その大部分が頂端細胞表面に保持されることが示された。さらにDARCは、基底膜側のケモカインに応答して、MDCKおよびHUVECの単層を横断する頂端面から基底面側へのヒト単球の遊走も促進した。内皮細胞でDARCを過剰発現するマウス(mDARCtgマウス)では、ケモカイン注入後の好中球動員、接触過敏(CHS)およびCHS皮膚病変への白血球遊走が亢進していた。これらのことから、著者らは、DARCはおとり受容体として作用するのではなく、ケモカインが仲介する白血球遊走を促進すると結論している。

M. Pruenster, L. Mudde, P. Bombosi, S. Dimitrova, M. Zsak, J. Middleton, A. Richmond, G. J. Graham, S. Segerer, R. J. B. Nibbs, A. Rot, The Duffy antigen receptor for chemokines transports chemokines and supports their promigratory activity. Nat. Immunol. 10, 101-108 (2009). [PubMed]

E. M. Adler, Turning to the DARC Side. Sci. Signal. 1, ec438 (2008).

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