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グリベック:原型か特殊な例か?
Gleevec: Prototype or Outlier?
Sci. STKE, Vol. 2004, Issue
225, pp. pe12, 23 March 2004
[DOI: 10.1126/stke.2252004pe12]
William G. Kaelin Jr.
Howard Hughes Medical Institute, Dana-Farber Cancer Institute and Brigham and Women's Hospital, Boston, MA 02115, USA.要約 : タンパク質キナーゼ阻害薬であるグリベックは、慢性骨髄性白血病(CML)の治療に目覚ましい有効性があることが証明されている。しかし、遺伝的に複雑な腫瘍において、機能亢進した腫瘍性タンパク質を標的とする他の薬物を用いて、このような成功が得られるだろうか?時がたたなければ分からないことだが、理論的および経験的な議論から、CMLにおけるグリベックの成功は必ずしも特別な例でないことが示唆される。様々な癌の分子的基礎がさらに明らかにされるにつれ、グリベックのように悪性形質への進行に不可欠な初期事象を阻害することで腫瘍細胞を特異的に標的とする、他の新薬を開発することができるはずである。この点で励みになるのは、細胞培養実験と動物モデルにおいて、癌細胞がこのような初期の遺伝子変化の結果生じるシグナルにしばしば依存し続け、それに頼り切るようになる可能性があることが示唆されていることである。
W. G. Kaelin, Gleevec: Prototype or Outlier?. Sci. STKE 2004, pe12 (2004).