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ニューロン細胞膜におけるドコサヘキサエン酸の役割

Role of Docosahexaenoic Acid in Neuronal Plasma Membranes

Perspectives

Sci. STKE, Vol. 2006, Issue 321, pp. pe6, 7 February 2006
[DOI: 10.1126/stke.3212006pe6]

John A. Glomset*

Howard Hughes Medical Institute, Departments of Medicine and Biochemistry, and Regional Primate Research Center, University of Washington, Seattle, WA 98195-7370, USA.
*Corresponding author. E-mail: jglomset@u.washington.edu

要約 : オメガ-3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA n-3)は、哺乳動物の脳の灰白質中のホスホグリセリドの主成分として古くから知られている。さらに、灰白質から単離されたシナプトソームに関する初期の研究から、シナプトソームの細胞膜にはDHA n-3が含まれ、それらのDHA n-3は、ホスファチジルエタノールアミン、プラスメニルエタノールアミン(アルケニルアシル−グリセロ−ホスホリルエタノールアミン)、ホスファチジルセリンと選択的にエステル結合していることが示された。対照的に、これらの膜のホスファチジルコリンには、エステル化オレイン酸が含まれ、膜のスフィンゴミエリンおよび糖脂質には、他のアミド結合脂肪酸との混合ではなく、アミド結合したステアリン酸が含まれていた。この脂質頭部、エステル結合した脂肪酸、およびアミド結合した脂肪酸の珍しい分布の意味は十分にはわかってないが、ホスホグリセリドとスフィンゴシン含有脂質は、細胞膜の脂質二重層の内葉と外葉の間で非対称に分布し、動的な脂質サブ構造の形成に寄与しているようである。これまで、単離されて特徴のわかっているニューロンの細胞膜がほとんどなかったことから、将来に向けての主な課題は、異なるニューロン細胞膜の脂質二重層の組成を検討し、多くの異なる機能を行う細胞膜の能力にDHA n-3含有ホスホグリセリドが与える影響を明らかにすることであろう。このPerspectiveの目的は、ニューロン細胞膜のホスホグリセリドが細胞シグナル伝達に果たす役割に関連する最近の結果について議論し、この重要な分野におけるさらなる研究を促すことである。

J. A. Glomset, Role of Docosahexaenoic Acid in Neuronal Plasma Membranes. Sci. STKE 2006, pe6 (2006).

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