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ブラシノステロイドシグナル伝達の理解における進展
Advances in Understanding Brassinosteroid Signaling
Sci. STKE, 26 September
2006 Vol. 2006, Issue 354, p. pe36
[DOI: 10.1126/stke.3542006pe36]
Rumyana Karlova and Sacco C. de Vries*
Laboratory of Biochemistry, Department of Agrotechnology and Food Sciences, Wageningen University, Dreijenlaan 3, 6703 HA Wageningen, the Netherlands.Corresponding author. E-mail, sacco.devries@wur.nl
要約 : ブラシノステロイド(Brassinosteroids: BRs)は、植物においてシグナル伝達分子として機能し、茎の伸長、維管束の分化、雄花の受精能、老化および開花の時期、葉の発達、生物学的および非生物学的ストレスに対する抵抗性のような過程に関与している。核内受容体により感知される動物のステロイドとは異なり、BRは膜貫通型受容体キナーゼ複合体により感知される。これらの複合体は、リン酸化が関与するシグナル伝達カスケードを始動させて、ステロイドシグナルを伝達する。受容体BRI1の細胞外ドメインにBRが結合すると、キナーゼの活性化と第2の膜貫通型キナーゼBAK1とのヘテロオリゴマー形成を誘導する。活性化されたBRI1は、次にBRI1と相互作用するタンパク質であるBKI1から解離する。BKI1は、新たに同定されたBRシグナル伝達の負の調節因子である。BRの存在下では、シロイヌナズナ(Arabidopsis)におけるGSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ3)のホモログであるキナーゼBIN2が、未知の機構によって阻害され、核内でBES1およびBZR1の脱リン酸化が起こる。これにより、BES1およびBZR1がホモ二量体化するか、または他の転写因子と結びついて、BR応答性遺伝子のプロモーターへの結合が可能になる。植物におけるBRシグナル伝達に関するこれらの研究から、動物細胞で作動している関連するシグナル伝達経路と明瞭に異なるシグナル伝達経路が明らかになった。
R. Karlova, S. C. de Vries, Advances in Understanding Brassinosteroid Signaling. Sci. STKE 2006, pe36 (2006).