細菌の浸透圧受容

Osmosensing by Bacteria

Perspectives

Sci. STKE, 17 October 2006 Vol. 2006, Issue 357, p. pe43
[DOI: 10.1126/stke.3572006pe43]

Janet M. Wood*

Department of Molecular and Cellular Biology, University of Guelph, Guelph, Ontario N1G 2W1, Canada.
*Corresponding author. E-mail, jwood@uoguelph.ca

要約 : 浸透圧センサーは、周囲の浸透圧を感知するタンパク質である。これらのセンサーは、浸透圧調節反応を仲介あるいは指示して、細胞が浸透圧変化や危機を切り抜けられるようにする。細菌の浸透圧感受性トランスポーターは、外部の高浸透圧を感知し、生体の浸透圧調節物質の取り込みを仲介して細胞の再吸水を促すことによって、それに反応する。浸透圧感受性トランスポーターOpuA、BetP、ProPの詳細な研究では、これらのトランスポーターがさまざまな浸透圧に依存した細胞特性を感知し、それに反応することが示唆されている。各タンパク質は細胞質に浸透圧受容ドメインまたは浸透圧調節ドメインを有するが、それらのドメインは構造と機能が異なることも、このような研究で示唆されている。それぞれのトランスポーターは別個の浸透圧受容機構を表しているのか、それとも、それぞれの研究グループが異なった経路で同じ機構に近づこうとしているのかは、いまだ不明である。この研究で得られた原理は、その他の浸透圧センサー、たとえば原核生物と真核生物においてシグナル伝達カスケードを開始させる浸透圧センサーなどにも応用できるであろう。

J. M. Wood, Osmosensing by Bacteria. Sci. STKE 2006, pe43 (2006).

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