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スーパー抗原:スーパー信号係?

Superantigens: Supersignalers?

Perspectives

Sci. STKE, 24 October 2006 Vol. 2006, Issue 358, p. pe45
[DOI: 10.1126/stke.3582006pe45]

Rose Zamoyska*

Molecular Immunology, Medical Research Council National Institute for Medical Research, The Ridgeway, Mill Hill, London NW7 4RD, UK.
*Contact information. Telephone, 44-20-8816-2466; fax, 44-20-8816-2248; e-mail, rzamoys@nimr.mrc.ac.uk

要約 : 細菌性タンパク質とウイルス性タンパク質のなかには、免疫応答を強力に活性化するものがあり、そのためスーパー抗原(SAgs)という名称が付けられている。これらのタンパク質を含む病原体に感染することによりT細胞が著しく活性化された結果、毒性ショックや食中毒のような致死的になる可能性のある様々な状態がもたらされることがある。従来のペプチド抗原とは異なり、SAgsはクラスII主要組織適合複合体(MHC)分子およびT細胞受容体(TCRs)ファミリーの外表面に無差別に結合することにより多数のT細胞を同時に活性化させる。SAgsがMHCおよびTCRと結合する方法は、ペプチド抗原がこれらの構造と相互作用する方法と異なる。それにも関わらず、SAgsはMHCとTCRと同時に結合するので、ペプチド−MHC複合体がTCRに結合することによるT細胞活性化について説明されてきた通常のシグナル伝達経路を介してT細胞を活性化させると考えられる。しかし、最近の研究では、SAgsはT細胞の別のシグナル伝達経路も活性化することが示されている。この研究から、SAgsがヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)Gα11を活性化させることによって、SrcファミリーキナーゼLckの非存在下でT細胞を刺激できることがわかっている。Gα11は、より豊富なPLC-γ1ではなく、ホスホリパーゼC-β(PLC-β)を活性化させ、これによってSAgシグナル伝達をホスファチジルイノシトールおよびプロテインキナーゼCシグナル伝達経路と結びつける。SAgsにより特異的に活性化され、従来のペプチド抗原では活性化されないシグナル伝達経路が発見されたことにより、SAgsによって引き起こされる疾患の制御に役立ち得る治療薬の開発の可能性が開かれる。

R. Zamoyska, Superantigens: Supersignalers? Sci. STKE 2006, pe45 (2006).

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