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癌におけるPI3キナーゼ:癌遺伝子のアーチファクトから有力な癌標的に

PI3 Kinases in Cancer: From Oncogene Artifact to Leading Cancer Target

Perspectives

Sci. STKE, 12 December 2006 Vol. 2006, Issue 365, p. pe52
[DOI: 10.1126/stke.3652006pe52]

Jean J. Zhao1,2 and Thomas M. Roberts1,3*

1Department of Cancer Biology, Dana-Farber Cancer Institute, 44 Binney Street, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.
2Department of Surgery, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.
3Department of Pathology, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.
*Corresponding author. E-mail, thomas_roberts@dfci.harvard.edu

要約 : 1980年代に発見され、特定のウイルス腫瘍タンパク質に関連していることが判明した脂質キナーゼ活性は、今ではクラスIAのホスファチジルイノシトールリン脂質3-キナーゼ(PI3K)に由来することが知られているが、発見当時は、精製によるアーチファクトだと多くの人に考えられていた。その後の研究により、これらの酵素は、増殖、運動、生存、アポトーシスなどのさまざまな細胞過程を制御する細胞シグナル伝達経路の重要な調節因子と同定された。今では、大部分のヒト腫瘍においてPI3K経路が遺伝子変異あるいはエピジェネティックな変化によって活性化されることが明らかとなっており、製薬業界は現在PI3K活性に対する低分子阻害因子の探索に力を入れている。しかし、PI3Kは正常な生理機能に重要であることから、治療法にたどりつくまでの道は平坦ではなく、PI3Kシグナル伝達経路のさらに詳細な分析が必要となる可能性がある。特に、正常な生理機能と腫瘍形成の双方においてクラスIA PI3Kの種々のアイソフォームが果たす役割を識別することが重要と考えられる。

J. J. Zhao, T. M. Roberts, PI3 Kinases in Cancer: From Oncogene Artifact to Leading Cancer Target. Sci. STKE 2006, pe52 (2006).

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