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ジアシルグリセロールキナーゼは免疫機能に歯止めをかける

Diacylglycerol Kinases Put the Brakes on Immune Function

Perspectives

Sci. STKE, 7 August 2007 Vol. 2007, Issue 398, p. pe43
[DOI: 10.1126/stke.3982007pe43]

Binks W. Wattenberg1* and Daniel M. Raben2

1Departments of Medicine, Biochemistry and Molecular Biology, and Pharmacology and Toxicology, University of Louisville, Louisville, KY 40202, USA.
2Department of Biological Chemistry, The Johns Hopkins School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
*Corresponding author: E-mail, b0watt01@louisville.edu

要約 : ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)は、特にT細胞における免疫機能の重要な負の調節因子であることが明らかになりつつある。DGKはジアシルグリセロールを消費してホスファチジン酸を産生する。ジアシルグリセロールとホスファチジン酸はいずれもシグナル伝達分子の重要な活性化因子であることから、DGKは多くのシグナル伝達経路を調節する可能性がある。このことはT細胞の機能にまさに当てはまると考えられる。T細胞シグナル伝達の研究から、DGKがT細胞受容体シグナル伝達を阻害し、免疫応答の制限に重要な役割を果たす可能性があることが示される。別の研究では、アネルギー、すなわち自己抗原に対する免疫応答に関する発生後の制御に重要なT細胞の無応答状態の分子基盤について調べられた。2つの研究グループは、DGK活性はアネルギー表現型の中心に位置することを示唆した。さらに、DGK活性はマクロファージおよび樹状細胞の細胞内病原体に対する応答も制限する可能性がある。DGKが膜のシグナル伝達脂質を調節する能力が、免疫応答を厳しく制御するのに用いられるという全体像が明らかになりつつある。

B. W. Wattenberg, D. M. Raben, Diacylglycerol Kinases Put the Brakes on Immune Function. Sci. STKE 2007, pe43 (2007).

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