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アリール炭化水素受容体:UVB反応を照らし出すエフェクター

The Aryl Hydrocarbon Receptor: An Illuminating Effector of the UVB Response

Perspectives

Sci. STKE, 11 September 2007 Vol. 2007, Issue 403, p. pe49
[DOI: 10.1126/stke.4032007pe49]

Patrizia Agostinis1*, Marjan Garmyn2, and An Van Laethem1,2

1Department of Molecular and Cell Biology,
2Laboratory of Dermatology, Faculty of Medicine, Catholic University of Leuven, Herestraat 49, B-3000, Belgium.
*Corresponding author. E-mail, Patrizia.Agostinis@med.kuleuven.be

要約 : アリール炭化水素受容体(AhR)は、サイトゾルのリガンドにより活性化される転写因子であり、薬物ならびに生体異物と総称される環境毒素の毒性作用および発癌性作用のほとんどを媒介する。リガンドによりAhRが活性化されると、数種類の生体異物代謝酵素をコードする遺伝子の転写が促進される。AhRの活性化により誘起される分子機構およびシグナル伝達経路については、ますます理解が進みつつあり、細胞ストレス応答、増殖、分化、炎症、および発癌を含む重要な過程にAhRが関与することが浮き彫りになっている。今日では、AhRは、ケラチノサイトが紫外線B(UVB)に曝露することで始動される多面的なシグナル伝達経路の不可欠な部分として意味づけられている。UVBは、ヒト皮膚へのもっともいたるところにある危険要因であり、皮膚癌の主要な危険因子である。サイトゾルにおけるリガンド依存性のAhR活性化は、細胞質のできごとを核内のシグナルに結びつける分子のかけ橋を提供するものである。このように、UVBに対する複雑な細胞応答においてこの転写因子が果たすこれまで知られなかった役割が明らかになっている。

P. Agostinis, M. Garmyn, A. Van Laethem, The Aryl Hydrocarbon Receptor: An Illuminating Effector of the UVB Response. Sci. STKE 2007, pe49 (2007).

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