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アデニル酸シクラーゼ5:「若返りの泉」を探すのに新たな手掛かり?

Adenylyl Cyclase 5: A New Clue in the Search for the "Fountain of Youth"?

Perspectives

Sci. STKE, 20 November 2007Vol. 2007, Issue 413, p. pe64
[DOI: 10.1126/stke.4132007pe64]

Julia A. Chester1 and Val J. Watts2*

1Department of Psychological Sciences, Purdue University, West Lafayette, IN 47907, USA.
2Department of Medicinal Chemistry and Molecular Pharmacology, Purdue University, West Lafayette, IN 47907, USA.
*Corresponding author. E-mail, wattsv@purdue.edu

要約 : アデニル酸シクラーゼ(AC)-環状アデノシン一リン酸(cAMP)シグナル伝達経路は、末梢神経系と中枢神経系の双方において多くの重要な生理機能に関与している。AC5の遺伝子破壊によってマウスの寿命が延長し、骨量減少や心筋症などの加齢に伴う病態に対する抵抗性が得られることが報告されている。これらの有益な効果は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼまたは細胞外シグナル制御プロテインキナーゼキナーゼ(MAPKK、MEKとしても知られる)や細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)などのセカンドメッセンジャーシグナル伝達タンパク質の活性上昇、あるいは、酸化ストレスとアポトーシスに対する防御により細胞生存を促進するマンガンスーパーオキシドジスムターゼ(MnSOD)などの酵素の活性上昇によって生じる可能性が提唱されている。これらの興味深い知見により、ACのアイソフォームに調節される複雑な細胞機構の解明を目的としたさらなる研究が促進されることが期待されるとともに、加齢に伴う病態の進行を遅延させ、寿命を延長させるための新たな遺伝学的および薬理学的手法がもたらされる可能性がある。

J. A. Chester, V. J. Watts, Adenylyl Cyclase 5: A New Clue in the Search for the "Fountain of Youth"? Sci. STKE 2007, pe64 (2007).

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