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ショウジョウバエ概日時計の同調:光より熱

Entrainment of the Drosophila Circadian Clock: More Heat Than Light

Perspectives

Sci. STKE, 20 November 2007 Vol. 2007, Issue 413, p. pe65
[DOI: 10.1126/stke.4132007pe65]

Jin-Yuan Fan, Michael J. Muskus, and Jeffrey L. Price*

Division of Molecular Biology and Biochemistry, School of Biological Sciences, University of Missouri-Kansas City, Kansas City, MO 64110, USA.
*Corresponding author. E-mail: PriceJL@umkc.edu

要約 : 概日リズムは明暗および温度周期に同調する体内時計によって作り出される。ショウジョウバエにおいて、光は、光受容体クリプトクロム(CRY)と概日時計タンパク質timeless(TIM)の相互作用を惹起する。この相互作用が欠如したcryb変異体では同調機構は見られない。TIMおよびperiod(PER)の存在量が一日中にわたって周期的に変動し、複合体を形成し、核に移動してperおよびtim 遺伝子の転写を周期的に抑制する。CRY:TIM相互作用はTIMの急速な分解をもたらすため、これらの分子振動相は光によってリセットされ、これによって概日時計が光に同調する。現在、熱パルスがCRYとPER:TIMの相互作用を惹起することが研究でわかっており、CRY:PER:TIMが温度による同調にも寄与していることが示唆される。野生型ではCRY:PER:TIM形成には高温を要するため、夜の早い時間帯での熱パルスによってしか惹起されないが、温度感受性の概日周期延長を示すperL 変異体では、一晩中、より低温でもCRY:PERL:TIM形成が惹起される。CRY:PER:TIMは概日行動との同調と同じ条件で形成されるため、このような複合体の形成は熱パルスによる同調を媒介すると考えられる。perL 変異ショウジョウバエでは温度が高いほど周期が長いのに対し、perL;cryb変異体では温度が異なっても同様の周期を示し、CRYとperL:TIMとの相互作用の変化が温度による補正の欠如の原因であることが示唆される。CRYとPER:TIMとの相互作用がどのようにリズムを温度に同調させ、温度による補正に影響するのかが今後の研究課題である。

J.-Y. Fan, M. J. Muskus, J. L. Price, Entrainment of the Drosophila Circadian Clock: More Heat Than Light. Sci. STKE 2007, pe65 (2007).

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