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細胞ストレスはミトコンドリアの細胞死経路に停止命令を与える

Cell Stress Gives a Red Light to the Mitochondrial Cell Death Pathway

Perspectives

Sci. Signal., 19 February 2008
Vol. 1, Issue 7, p. pe9
[DOI: 10.1126/stke.17pe9]

M. Eugenia Guicciardi and Gregory J. Gores*

Mayo Clinic College of Medicine, 200 First Street SW, Rochester, MN 55905, USA. *Corresponding author. E-mail: gores.gregory@mayo.edu

要約 : 細胞がストレスに長時間曝露された場合の最終的な結果は細胞死であることが多いが、初期応答は、低レベルの損傷を修復する機会を細胞に与えると考えられる生存経路の活性化のようである。このようなストレスによって開始される生存経路が、細胞死における中心的な分子装置であるB細胞リンパ腫/白血病2(Bcl-2)タンパク質にどのように影響を及ぼすのかは不明である。しかし、今回、2つの論文が、ストレス媒介性生存機構への知見を与えている。肝臓はp53媒介アポトーシスに著しく耐性がある。インスリン様成長因子結合タンパク質-1(IGFBP1)をコードする遺伝子のp53を介する誘導によって、p53とアポトーシス促進タンパク質BAKの間の複合体形成が阻止され、肝細胞における細胞死応答が減弱する。このことは、IGFBP1がBcl-2ファミリーの一員ではないにもかかわらずBAKを阻害したという点で、特に興味深い。関連性のない3つの細胞株において、細胞生存に影響を与える別の調節性相互作用が、ミトコンドリアで起こる。この場合には、タンパク質ホスファターゼ1γ(PP1γ)が、Bcl-2/Bcl-XL関連細胞死促進因子(BAD)のリン酸化状態を調節していた。プレフォールディン(prefoldin)ファミリーの一員であるURIは、S6キナーゼ1により通常はリン酸化され、その結果URI- PP1γ複合体からPP1γが解放される。しかし、成長因子または栄養素を除去するとこの複合体が安定化され、PP1γが不活性になる。このストレス刺激の正味の応答は、リン酸化されたBADの存在量が増加し、細胞死を開始するのに必要な閾値が引き上げられることである。これら2つの研究から、ストレス応答と細胞死を結び付ける新たな因子と機構が同定された。

M. E. Guicciardi, G. J. Gores, Cell Stress Gives a Red Light to the Mitochondrial Cell Death Pathway. Sci. Signal. 1, pe9 (2008).

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