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休眠期からの再起:トキソプラズマの病原性に不可欠なセカンドメッセンジャー・サイクリックADPリボース

Back from the Dormant Stage: Second Messenger Cyclic ADP-Ribose Essential for Toxoplasma gondii Pathogenicity

Perspectives

Sci. Signal., 29 April 2008
Vol. 1, Issue 17, p. pe18
[DOI: 10.1126/stke.117pe18]

Andreas H. Guse*

The Calcium Signalling Group, Institute of Biochemistry and Molecular Biology I: Cellular Signal Transduction, Centre of Experimental Medicine, University Medical Centre Hamburg-Eppendorf, Martinistrasse 52, 20246 Hamburg, Germany.
*Corresponding author. E-mail, guse@uke.uni-hamburg.de

要約 : サイクリックアデノシン二リン酸リボース(cADPR)は、動物、植物、原生動物の細胞に認められる内因性のCa2+動員性セカンドメッセンジャーであり、特定のクラスの酵素(ADP-リボシルシクラーゼ)によって形成される。cADPRは、筋小胞体や小胞体に存在するリアノジン受容体を介するCa2+放出を促進する。最近、偏性細胞内原虫病原体であるトキソプラズマ(Toxoplasma gondii)において、cADPRの役割が示された。トキソプラズマでは、藻類系細胞内共生体の残遺オルガネラであるアピコプラストによる植物ホルモンアブシジン酸の合成がストレス条件によって引き起こされる。アブシジン酸は、次にトキソプラズマ内でのcADPR生成を活性化し、その結果、Ca2+放出、およびトキソプラズマの宿主細胞からの放出に関与するタンパク質の分泌が起こる。植物起源の合成経路に関する証拠は、アブシジン酸(ABA)合成阻害薬フルリドンfluridoneを用いて得られた。フルリドンは、トキソプラズマの細胞外への放出に対して競合し、長期生存する半休眠状態のトキソプラズマシストの分化を誘導した。さらに、フルリドンは、マウスのトキソプラズマ症に対して保護作用を示した。

A. H. Guse, Back from the Dormant Stage: Second Messenger Cyclic ADP-Ribose Essential for Toxoplasma gondii Pathogenicity. Sci. Signal. 1, pe18 (2008).

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