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小分子の時代:c-di-AMPはバクテリアおよびアーキアにおけるセカンドメッセンジャー候補

Great Times for Small Molecules: c-di-AMP, a Second Messenger Candidate in Bacteria and Archaea

Perspectives

Sci. Signal., 19 August 2008
Vol. 1, Issue 33, p. pe39
[DOI: 10.1126/scisignal.133pe39]

Ute Romling*

Karolinska Institutet, Department of Microbiology, Tumor and Cell Biology, FE280, SE-171 77 Stockholm, Sweden.
*Corresponding author. E-mail, ute.romling@ki.se

要約 : 原核生物および真核生物における細胞分裂の成功は、細胞周期の進行を調節するチェックポイントによって保証される。DNA完全性スキャンニングタンパク質(DisA)の構造および生化学分析によって、未知の機能を有するドメインDUF147(ジアデニル酸シクラーゼDACとして再命名)にジアデニル酸シクラーゼ活性があることが最近判明した。このジアデニル酸シクラーゼ活性は、DisAがDNA複製中に自然に生じるDNA二本鎖切断時の分枝DNA基質と結合すると失活する。芽胞形成は芽胞と呼ばれる休眠細胞の形成に至る特別な細胞分裂過程であるが、本知見によると、環状ジ(3'→5')-アデニル酸(c-di-AMP)は、Bacillus subtilisにおける芽胞形成中のDNA統合性をシグナル伝達するセカンドメッセンジャー候補である。 DACドメインはバクテリア(細菌)およびアーキア(古細菌)に広く存在する.さらに、多様なドメインを含むタンパク質にも存在することから、c-di-AMPは分枝DNA以外にも様々なシグナルに応答するセカンドメッセンジャー分子として作用すると考えられる。c-di-AMPおよび最近認識されたセカンドメッセンジャーc-di-GMPの作用の生物学的重要性および分子メカニズムを解明するためには、学際的アプローチが必要である。

U. Romling, Great Times for Small Molecules: c-di-AMP, a Second Messenger Candidate in Bacteria and Archaea. Sci. Signal. 1, pe39 (2008).

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