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Smadシグナル伝達の動態:簡素なモデルからの洞察

Smad Signaling Dynamics:Insights from a Parsimonious Model

Perspectives

Sci. Signal., 9 September 2008
Vol. 1, Issue 36, p. pe41
[DOI: 10.1126/scisignal.136pe41]

Harish Shankaran1 and H. Steven Wiley1,2*

1 Systems Biology Program, Pacific Northwest National Laboratory, Richland, WA 99352, USA.
2 Environmental Molecular Sciences Laboratory, Pacific Northwest National Laboratory, Richland, WA 99352, USA. * Corresponding author. E-mail: steven.wiley@pnl.gov

要約 : 細胞表面受容体から核へと情報を伝達する分子機構は、非常に複雑である。したがって、これらの過程を理解するための計算モデルの開発に多くの努力が注がれてきた。トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)受容体の活性化に応答したSmad2-Smad4複合体の核と細胞質の間のシャトルのモデリングに関する最近の研究では、このシグナル伝達ネットワークがTGF-β受容体の活性化の程度(インプット)を核のSmad2-Smad4複合体量(アウトプット)にどのようにして翻訳するのかついて、かなりの洞察が得られた。この研究は、簡潔な機構モデルを標的とする実験を組み合わせることによってこの問題に取り組んだ。このアプローチは、複雑なシグナル伝達ネットワークの基本特性の探索に特に有力であることが分かった。数学モデルから、Smadの核-細胞質間動態により、インプットとアウトプットの比例的だが時間遅延のある連結が可能であることが明らかになった。結果として、シグナル伝達のノイズを構成する急速なインプットの変動が弱まり、アウトプットはインプットのゆるやかな変化を正確にたどることができる。

H. Shankaran, H. S. Wiley, Smad Signaling Dynamics: Insights from a Parsimonious Model. Sci. Signal. 1, pe41 (2008).

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