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幹細胞から肝臓および膵臓への分化にみられる新たな複雑性

New Complexity in Differentiating Stem Cells Toward Hepatic and Pancreatic Fates

Perspectives

Sci. Signal., 11 August 2009
Vol. 2, Issue 83, p. pe50
[DOI: 10.1126/scisignal.283pe50]

Stacey S. Huppert1,2 and Mark A. Magnuson2,3*

1 Department of Cell and Developmental Biology, Vanderbilt University School of Medicine, Nashville, TN 37232, USA.
2 Center for Stem Cell Biology, Vanderbilt University School of Medicine, Nashville, TN 37232, USA.
3 Department of Molecular Physiology and Biophysics, Vanderbilt University School of Medicine, Nashville, TN 37232, USA.
* Corresponding author. E-mail, mark.magnuson@vanderbilt.edu

要約 : 胚発生時の肝臓および膵臓前駆細胞の分化は、隣接する細胞から分泌される誘導因子によって決定される。これらの誘導因子は、前駆細胞内の重要な調節遺伝子の発現を促進したり抑制したりすることによって、細胞運命を決定する特有の遺伝子プログラムを確立する。肝臓および膵臓の発生を制御するシグナル伝達ネットワークは、いくつかの主要な誘導因子への曝露の濃度およびタイミングの両面に関して、極めて動的である。短時間に大きく変化するだけでなく、同一の標的遺伝子に複数のシグナル伝達経路が収束する。胚性幹(ES)細胞および人工多能性幹(iPS)細胞の両方からある特定の分化細胞種を作製するために懸命な努力が続けられているが、そのような努力を最終的に成功させるためには、多様な誘導シグナルが相互作用する仕組みについて理解を深めることが不可欠であろう。

S. S. Huppert, M. A. Magnuson, New Complexity in Differentiating Stem Cells Toward Hepatic and Pancreatic Fates. Sci. Signal. 2, pe50 (2009).

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