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骨格のメカノバイオロジー

Mechanobiology of the Skeleton

Presentations

Sci. Signal., 28 April 2009
Vol. 2, Issue 68, p. pt3
[DOI: 10.1126/scisignal.268pt3]

Charles H. Turner1*, Stuart J. Warden2, Teresita Bellido3, Lilian I. Plotkin3, Natarajan Kumar4, Iwona Jasiuk4, Jon Danzig4, and Alexander G. Robling3

1 Departments of Orthopaedic Surgery and Biomedical Engineering, IUPUI, Indianapolis, IN 46202, USA.
2 Department of Physical Therapy, Indiana University, Indianapolis, IN 46202, USA.
3 Department of Anatomy and Cell Biology, Indiana University, Indianapolis, IN 46202, USA.
4 Department of Mechanical Engineering, University of Illinois, Champaign-Urbana, IL 61801, USA.

A presentation from the Keystone Symposium Mechanotransduction in Physiology and Disease in Taos, New Mexico, 18 to 23 January 2009.
* Presenter and corresponding author. E-mail, turnerch@iupui.edu

Presenter and corresponding author. E-mail, arupc@mit.edu

要約 : 骨格の力学的負荷は、荷重に耐える強い骨の発達、成長、および維持に不可欠である。骨の強度は可塑的で、成人においても調節が可能である。これは、スポーツ選手の競技に用いる側の腕のほうが、競技に用いない側の腕よりも骨量が増加することによって例証される。我々の研究から、力学的負荷が、ひずみエネルギーの高い領域での骨形成を誘導することで、骨強度を向上させることが示された。したがって、骨組織には、骨強度を増加させるために最も必要とされる場所に骨形成を向ける力学感知機構がある。力学的負荷のセンサーである可能性が最も高いのは骨細胞である。骨細胞は、粘弾性的に骨マトリックスに結合しているため、負荷の度合いにしたがって生物学的反応が増加する。したがって、負荷頻度が増加すると骨の負荷に対する応答性が向上する。骨細胞に特異的なタンパク質スクレロスチンは、Wntシグナル伝達経路の阻害因子であり、力学的負荷反応のメディエータの1つであると考えられる。力学的負荷は骨細胞のスクレロスチン分泌を抑制し、それにより、Wntシグナル伝達依存性の骨形成が起こることが可能になる。細胞内カルシウムシグナル伝達、アデノシン三リン酸シグナル伝達、およびプロスタグランジンや一酸化窒素などのセカンドメッセンジャーを通したシグナル伝達がスクレロスチン分泌に先行する。伸展活性化イオンチャネルおよび接着斑タンパク質は、スクレロスチンの上流にあるこれらの経路を開始させるのに役割を果たすかもしれない。特に、接着斑キナーゼおよびプロリンリッチチロシンキナーゼ2は、骨細胞における力学的負荷のセンサーであると考えられる。

C. H. Turner, S. J. Warden, T. Bellido, L. I. Plotkin, N. Kumar, I. Jasiuk, J. Danzig, A. G. Robling, Mechanobiology of the Skeleton. Sci. Signal. 2, pt3 (2009).

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