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タンパク質およびペプチド金属アフィニティークロマトグラフィーの連続使用による複合混合物中のリン酸化種の確実な濃縮と、タンデム質量分析による解析

Robust Enrichment of Phosphorylated Species in Complex Mixtures by Sequential Protein and Peptide Metal-Affinity Chromatography and Analysis by Tandem Mass Spectrometry

Protocols

Sci. STKE, Vol. 2005, Issue 298, pp. pl6, 23 August 2005
[DOI: 10.1126/stke.2982005pl6]

Mark O. Collins1,2*, Lu Yu1, Holger Husi2, Walter P. Blackstock3, Jyoti S. Choudhary1, and Seth G. N. Grant1,2*

1The Wellcome Trust Sanger Institute, Hinxton, CB10 1SA, UK.
2Division of Neuroscience, University of Edinburgh, Edinburgh, EH8 9JE, UK.
3Department of Molecular Biology and Biotechnology, University of Sheffield, Sheffield, S10 2TN, UK.
* Corresponding authors. E-mail, moc@sanger.ac.uk (M.O.C.); sg3@sanger.ac.uk (S.G.N.G.)

要約 : キナーゼ、ホスファターゼ、調節分子によるタンパク質の可逆的リン酸化は、生細胞におけるシグナル伝達に必須の機構である。リン酸化は、数百に及ぶ既知のタンパク質翻訳後修飾の中で最も重点的に研究されているが、最近までリン酸化部位の同定率は低いままであった。タンデム質量分析の利用によってリン酸化部位の同定は大いに加速されたが、リン酸化残基を濃縮する技術には困難が伴うため、その発展には限界があった。われわれは既存の固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)法に、リン酸化ペプチドを捕捉するための改良を加え、複合混合物からリン酸化タンパク質を選択的に精製できるようにした。リン酸化タンパク質とリン酸化ペプチドの濃縮を組み合わせた手法は、現在のリン酸化ペプチドを一回で精製する方法より効果的であった。われわれはまた、反復的な質量分析に基づくスキャン法も実行し、これらの濃縮サンプルにおけるリン酸化ペプチドの検出を改善した。本稿では、哺乳動物のシナプスにおけるリン酸化の研究を目的として、タンデム質量分析による解析と組み合わせてこれらの方法を実行し、検証するための詳細な説明を行う。この戦略は、多様な組織、オルガネラ、そして培養細胞におけるタンパク質リン酸化の特性決定に広く応用できるはずである。

M. O. Collins, L. Yu, H. Husi, W. P. Blackstock, J. S. Choudhary, S. G. N. Grant, Robust Enrichment of Phosphorylated Species in Complex Mixtures by Sequential Protein and Peptide Metal-Affinity Chromatography and Analysis by Tandem Mass Spectrometry. Sci. STKE 2005, pl6 (2005).

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