Dynamic Phosphoflow Cytometryによるシグナル伝達事象の解析

Sci. Signal., 1 September 2009
Vol. 2, Issue 86, p. pl3
[DOI: 10.1126/scisignal.286pl3]

Guylène Firaguay^1,2,3 and Jacques A. Nunès^1,2,3*

¹ Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale, Unité 891, Centre de Recherche en Cancérologie de Marseille, F-13009 Marseille, France.
² Institut Paoli-Calmettes, F-13009 Marseille, France.
³ Université de la Méditerranée, F-13007 Marseille, France.
* Corresponding author. E-mail, jacques.nunes@inserm.fr

要約 : 細胞のシグナル伝達に関わる多くのタンパク質はリン酸化される。このようなシグナル伝達分子のリン酸化状態を単一細胞レベルで明らかにするために、我々は、標的のリン酸化タンパク質を検出する状態特異的抗体を用い、フローサイトメトリーにより蛍光を測定するプロトコールを提示する。シグナル強度を改善するために、シグナル伝達タンパク質の解析にはサンドウィッチ標識法を用いている。過バナジン酸ナトリウム（sodium pervanadate：非特異的チロシンホスファターゼ阻害剤）の存在下および非存在下におけるタンパク質のリン酸化状態を比較することで、試料中のシグナル伝達経路活性を反映するチロシンリン酸化タンパク質の相対量を測定した。このような動的な測定法とサンドウィッチ標識法によるシグナル増幅を組み合わせることによって、正確かつ再現性のあるシグナル伝達経路活性の測定をすることができる。