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Nedd4はIGF-1シグナル伝達の調節により動物の成長を制御する

Nedd4 Controls Animal Growth by Regulating IGF-1 Signaling

Research Article

Sci. Signal., 23 September 2008
Vol. 1, Issue 38, p. ra5
[DOI: 10.1126/scisignal.1160940]

要約 : ユビキチンリガーゼのNedd4は、多数のシグナル伝達経路を調節することが提唱されてきたが、哺乳類におけるその生理学的役割は解明されていない。本稿ではNedd4欠損マウスの解析を通じて、Nedd4の欠損によりインスリン様成長因子1(IGF-1)およびインスリンのシグナル伝達が低下し、胚発生が遅れ、成長と体重増加が遅れ、新生仔の死亡に至ることを示す。マウスの胚性線維芽細胞では,細胞分裂活性が低下し、アダプタータンパク質Grb10の存在量が増大し、通常は細胞膜上に存在するIGF-1受容体が誤った場所に局在化していた。しかし、Grb10をノックダウンしたNedd4欠損胚性線維芽細胞では、細胞表面でのIGF-1受容体の発現は回復し、Grb10 欠失対立遺伝子が母性遺伝することにより、Nedd4-/- の致死性が回避された。このようにin vivoでは、Nedd4がGrb10機能の部分的な調節を通して、IGF-1およびインスリンのシグナル経路を積極的に制御しているようである。

X. R. Cao, N. L. Lill, N. Boase, P. P. Shi, D. R. Croucher, H. Shan, J. Qu, E. M. Sweezer, T. Place, P. A. Kirby, R. J. Daly, S. Kumar, B. Yang, Nedd4 Controls Animal Growth by Regulating IGF-1 Signaling. Sci. Signal. 1, ra5 (2008).

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