• ホーム
  • ディジタル回路の故障診断工学により複雑な細胞経路の脆弱分子を特定できる

ディジタル回路の故障診断工学により複雑な細胞経路の脆弱分子を特定できる

Fault Diagnosis Engineering of Digital Circuits Can Identify Vulnerable Molecules in Complex Cellular Pathways

Research Article

Sci. Signal., 21 October 2008
Vol. 1, Issue 42, p. ra10
[DOI: 10.1126/scisignal.2000008]

1 Center for Wireless Communications and Signal Processing Research, Department of Electrical and Computer Engineering, New Jersey Institute of Technology, 323 King Boulevard, Newark, NJ 07102, USA.
2 Department of Electrical and Computer Engineering, Northeastern University, 307 Dana Research Building, Boston, MA 02115, USA.
3 Advanced Technologies for Novel Therapeutics (ATNT), 211 Warren Street, Newark, NJ 07103, USA.
†Work initiated at The Rockefeller University, 1230 York Avenue, New York, NY 10021, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: emame@ATNT-USA.com

要約 : 細胞のシグナル伝達ネットワークに対して複雑なシステム工学的アプローチを応用することによって、複雑な疾患に関する新たな理解が得られ、さらには新たな治療法も導かれるはずである。回路故障診断工学の分野では、複雑なデジタル電子回路の欠陥部品や脆弱部品を特定するために様々な方法が使われている。しかし生物系では、個々の特異的分子の機能不全につながる相互接続シグナル伝達経路の脆弱性に関する知識は限られている。生物学を活用した適切なデジタル脆弱性評価方法を開発することによって、各分子の機能不全に至る複雑なシグナル伝達ネットワークの脆弱性を明らかにすることができる。このようなアプローチの有用性を明らかにするために、我々は、特徴が明らかな3つのシグナル伝達ネットワーク、すなわちカスパーゼ3活性を調節する細胞性ネットワーク、p53活性を調節するネットワーク、また転写因子CREB (サイクリックアデノシン3',5'-一リン酸応答性エレメント結合タンパク質)の活性を調節する中枢神経系ネットワークについて分析した。その結果、様々な分子の脆弱性を示す値に重大な差があることが明らかになった。特定された脆弱性の高い分子のほとんどは機能的に関連し、かつこれらのネットワークの鍵となる調節因子として知られているものであった。実験データより、デジタル脆弱性評価によりCREBネットワークの主要調節因子を正しく予測できることが確認された。このようなアプローチにより、ヒトの疾患に関連する主要分子に対する洞察が深められ、創薬の重要標的の特定に役立つかもしれない。

A. Abdi, M. B. Tahoori, E. S. Emamian, Fault Diagnosis Engineering of Digital Circuits Can Identify Vulnerable Molecules in Complex Cellular Pathways. Sci. Signal. 1, ra10 (2008).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る