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LRP1へのリガンド結合はSrcファミリーキナーゼ依存性経路によってTrk受容体をトランスに活性化する

Ligand Binding to LRP1 Transactivates Trk Receptors by a Src Family Kinase-Dependent Pathway

Research Article

Sci. Signal., 28 April 2009
Vol. 2, Issue 68, p. ra18
[DOI: 10.1126/scisignal.2000188]

Yang Shi1, Elisabetta Mantuano1,2, Gen Inoue2,3, W. Marie Campana2, and Steven L. Gonias1*

1 Department of Pathology, University of California, San Diego, 9500 Gilman Drive, La Jolla, CA 92093-0612, USA.
2 Department of Anesthesiology, University of California, San Diego, La Jolla, CA 92093, USA.
3 Department of Orthopedic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba, 260-8677 Japan.
* To whom correspondence should be addressed. E-mail: sgonias@ucsd.edu

要約 : 低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1(LRP1)は、構造的に多様なさまざまなリガンドのエンドサイトーシスと細胞内シグナル伝達に機能する。LRP1は神経機能のいくつかの側面に関与するとされているが、ニューロンLRP1の活性の根底にある分子機構はまだ明らかにされていない。本稿では、LRP1がTrk受容体をトランス活性化する際に利用するシグナル伝達経路について報告する。PC12細胞とニューロンにおいて、組織型プラスミノゲン活性化因子またはα2-マクログロブリン(α2M)がLRP1に結合すると、Srcファミリーキナーゼ(SFK)が活性化され、SFK依存性のTrk受容体のトランス活性化が生じた。Trk受容体トランス活性化には、Aktと細胞外シグナル制御キナーゼの活性化や、LRP1の下流での神経突起伸長に必要であった。α2MのLRP1結合ドメインをラット後根神経節に注入すると、Trk受容体がリン酸化されたが、これは、LRP1へのリガンド結合に拮抗する物質である受容体関連タンパク質によって阻害された。Trk受容体トランス活性化がもたらす機構を介して、さまざまなLRP1リガンドが神経栄養活性を示す可能性がある。

Y. Shi, E. Mantuano, G. Inoue, W. M. Campana, S. L. Gonias, Ligand Binding to LRP1 Transactivates Trk Receptors by a Src Family Kinase-Dependent Pathway. Sci. Signal. 2, ra18 (2009).

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