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Ca2+パフはイノシトールトリスリン酸受容体の既存の安定クラスターから生じる

Ca2+ Puffs Originate from Preestablished Stable Clusters of Inositol Trisphosphate Receptors

Research Article

Sci. Signal., 24 November 2009
Vol. 2, Issue 98, p. ra77
[DOI: 10.1126/scisignal.2000466]

Ian F. Smith1*, Steven M. Wiltgen1, Jianwei Shuai2, and Ian Parker1,3

1 Department of Neurobiology and Behavior, University of California, Irvine, CA 92697-4550, USA.
2 Department of Physics, Xiamen University, Xiamen 361005, China.
3 Department of Physiology and Biophysics, University of California, Irvine, CA 92697-4550, USA.
* To whom correspondence should be addressed. E-mail: ismith@uci.edu

要約 : 細胞内カルシウムイオン(Ca2+)シグナル伝達は、小胞体(ER)膜のイノシトールトリスリン酸受容体(IP3R)のクラスター構成にきわめて大きく依存している。これらのリガンド作動性イオンチャネルはCa2+を放出し、Ca2+パフとして知られる局所シグナルを生成する。われわれは、ケージドIP3の閃光光分解と高解像度Ca2+イメージングを用いて、無傷の哺乳動物細胞における個々のIP3Rの活性と局在を観察することにより、IP3そのものがIP3Rの迅速なクラスター形成を引き起こすという仮説を検証した。本研究の結果から、光照射によるIP3の放出後、100〜200 msという短い潜時の後に発生するCa2+パフには、少なくとも4個のIP3Rチャネルがすでに関与しており、この数はその後増えないことが示唆される。さらに、単一の活性型IP3Rは移動が制限されており、確率的シミュレーションによれば、拡散捕捉機構によるパフ部位でのIP3Rの凝集には何秒もかかることが示唆される。したがって、パフ部位はIP3Rの既存の安定クラスターであり、機能的なIP3RはER膜内で容易には拡散できないと結論づけられる。

I. F. Smith, S. M. Wiltgen, J. Shuai, I. Parker, Ca2+ Puffs Originate from Preestablished Stable Clusters of Inositol Trisphosphate Receptors. Sci. Signal. 2, ra77 (2009).

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