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Cblは初期エンドソームの融合を調節することによってEGFRの運命を制御する

Cbl Controls EGFR Fate by Regulating Early Endosome Fusion

Research Article

Sci. Signal., 22 December 2009
Vol. 2, Issue 102, p. ra86
[DOI: 10.1126/scisignal.2000217]

Gina D. Visser Smit1*†, Trenton L. Place1*, Sara L. Cole2*†, Kathryn A. Clausen1†, Soumya Vemuganti1†, Guojuan Zhang2, John G. Koland1, and Nancy L. Lill2†‡

1 Department of Pharmacology, University of Iowa, Iowa City, IA 52242, USA.
2 Department of Pathology and the OSU Comprehensive Cancer Center, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.
* These authors contributed equally to this work.
† Some results reported here were generated while these authors were affiliated with the University of Iowa.
‡ To whom correspondence should be addressed. E-mail: nancy.lill@osumc.edu

要約 : E3ユビキチンリガーゼCblのアミノ酸残基1-434は、上皮増殖因子受容体(EGFR)のユビキチン化、ダウンレギュレーション、およびリソソームでの分解を亢進させることによって、そのシグナル伝達を調節する。Cblのこの領域は、チロシンキナーゼ結合ドメイン、リンカー領域、RING(really interesting new gene)フィンガー(RF)、およびRF末端の一連の残基から成る。完全長のアラニン置換変異体を用いた実験において、CblのRF末端は、EGFRのエンドサイトーシスにおいて生化学的に明確なチェックポイントを調節することが実証された。細胞内移行の調節因子であるhSprouty2のCblとユビキチンに依存する分解が、Val431→Alaの変異によって障害されたのに対して、エンドソーム輸送の調節因子であるHrsのCblとEGFRに依存する脱リン酸化ないし分解は、Phe434→Alaの変異によって障害された。Hrsのリン酸化の調節の破綻は、初期エンドソームの融合の抑制およびEGFR分解の抑制と相関していた。この研究から、Cblが、ソーティングエンドソームの融合を制御することによって、受容体の運命を調節することのはじめての証拠が得られる。これは、チロシンリン酸化型Hrsの存在量を調整することによると推測される。

G. D. Visser Smit, T. L. Place, S. L. Cole, K. A. Clausen, S. Vemuganti, G. Zhang, J. G. Koland, N. L. Lill, Cbl Controls EGFR Fate by Regulating Early Endosome Fusion. Sci. Signal. 2, ra86 (2009).

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