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NADPHオキシダーゼに由来するROSを局在化させる

Localizing NADPH Oxidase-Derived ROS

Reviews

Sci. STKE,Vol. 2006, Issue 349, pp. re8, 22 August 2006
[DOI: 10.1126/stke.3492006re8]

Masuko Ushio-Fukai*

Department of Pharmacology and Center for Lung and Vascular Biology, University of Illinois College of Medicine, Chicago, IL 60612, USA.
*Corresponding author. E-mail: mfukai@uic.edu

要約 : 活性酸素種(ROS)は、細胞遊走、増殖、遺伝子発現を含む様々な生体応答を媒介するシグナル伝達分子として機能する。ROSは拡散性の短寿命分子である。したがって、特定の細胞内コンパートメントにROSシグナルを局在化させることは、受容体活性化後の酸化還元シグナル伝達イベントを活性化するのに必須である。NADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)オキシダーゼは、脈管構造における主要なROS源の一つであり、触媒サブユニット(Nox1、Nox2、Nox3、Nox4、またはNox5)、p22phox、p47phox、p67phox、および低分子量グアノシントリホスファターゼ(GTP)のRac1により構成される。p47phoxと足場タンパク質TRAF4およびWAVE1との相互作用を介して、NADPHオキシダーゼが葉状仮足や膜ラッフルにおける限局性複合体(focal complexes)へとターゲティングされることは、方向性をもった細胞遊走にとって必要な局在化したROS産生を達成するための機構である。ROSは、プロテインチロシンホスファターゼを不活化すると考えられている。プロテインチロシンホスファターゼは、特定の細胞内コンパートメントに集まることによって、酸化還元シグナル伝達経路を活性化して細胞運動を促進する正のフィードバック系を確立している。さらに、ROS産生は、エンドソームとだけでなく、脂質ラフトやカベオラと会合しているシグナル伝達プラットフォームとNADPHオキシダーゼの相互作用を介して局在化するかもしれない。NADPHオキシダーゼが核に存在するという証拠もあり、このことはNADPHオキシダーゼが酸化還元応答性の遺伝子発現に関係していることを示唆する。本総説は、ROS局在化と様々な細胞機能に関与する下流の酸化還元シグナル伝達イベントの活性化の機構として、個々の細胞内コンパートメントへのNADPHオキシダーゼのターゲティングに焦点を当てる。

M. Ushio-Fukai, Localizing NADPH Oxidase-Derived ROS. Sci. STKE 2006, re8 (2006).

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