NAADP:万能Ca2+トリガー

NAADP: A Universal Ca2+ Trigger

Reviews

Sci. Signal., 4 November 2008
Vol. 1, Issue 44, p. re10
[DOI: 10.1126/scisignal.144re10]

Andreas H. Guse1* and Hon Cheung Lee2

1 The Calcium Signaling Group, Institute of Biochemistry and Molecular Biology I: Cellular Signal Transduction, University Medical Center Hamburg-Eppendorf, Martinistrasse 52, D-20146 Hamburg, Germany.
2 Department of Physiology, The Hong Kong University, 4/F Lab Block, Faculty of Medicine Building, 21 Sassoon Road, Hong Kong.
* Corresponding author. E-mail, guse@uke.uni-hamburg.de

要約 : 細胞内には複数のカルシウムイオン(Ca2+)貯蔵部位とそれらを動員するための複数のメッセンジャー分子が存在する。これらのメッセンジャーにはD-ミオイノシトール1,4,5-三リン酸(IP3)、サイクリックアデノシン二リン酸リボース(cADPR)などがある。つい最近に特定されたCa2+動員メッセンジャーのニコチン酸アデニンジヌクレオチドリン酸(NAADP)は、植物細胞から哺乳類細胞に至るまでの広範な細胞に作用する。NAADPは酸性(リソソーム様)Ca2+貯蔵と小胞体貯蔵の両方を標的とすることを示す証拠が増えている。無脊椎動物および哺乳類細胞を用いた最近の研究によって、NAADPがCa2+シグナルを開始させ、このシグナルがCa2+誘発Ca2+放出を介するcADPR依存性またはIP3依存性の機構(あるいは両者)によって増幅されることが示唆される。多様な刺激が内在性NAADP濃度の急増を活性化し、NAADPは数秒以内に基礎値の数倍に増加する。酵素CD38はNAADPの合成も加水分解も触媒するので、NAADPの急速な代謝を誘起する上で理想的である。CD38の結晶構造およびその様々な基質との複合体の構造が解明され、その多機能性触媒作用の機構が明らかになってきた。このような進歩により、今後、NAADPによって媒介されるCa2+シグナル伝達経路のすべての主要要素が解明されることが期待される。

A. H. Guse, H. C. Lee, NAADP: A Universal Ca2+ Trigger. Sci. Signal. 1, re10 (2008).

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