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分化細胞からの新規の器官形成:根粒器官形成

De Novo Organ Formation from Differentiated Cells: Root Nodule Organogenesis

Reviews

Science Signaling, 9 December 2008
Vol. 1, Issue 49, p. re11
[DOI: 10.1126/scisignal.149re11]

Martin Crespi* and Florian Frugier

Institut des Sciences du Vegetal (ISV), Centre National de la Recherche Scientifique, 91198 Gif sur Yvette cedex, France.
* Corresponding author. E-mail, Martin.Crespi@isv.cnrs-gif.fr

要約 : 根粒菌(Rhizobium)とマメ科植物の共生相互作用は、窒素固定根粒形成という新たな発生プログラムを始動させる。根粒形成は特異的な細菌シグナルであるNod因子によって誘導され、植物の発生調節経路を統合して、分化した皮層細胞を再活性化する。その結果、植物の幹細胞ニッチに相当する分裂組織が新規に形成される。最近のデータにより、根粒形成の開始の際に植物ホルモンであるサイトカイニンとそのシグナル伝達経路が担う重要な機能が明らかにされた。サイトカイニンまたはNod因子シグナル伝達経路の構成因子のいずれかが活性化されると、根粒器官形成プログラムが自発的に誘導される。これらの遺伝学的解析は、根粒形成初期に活性化される転写調節ネットワークのゲノム研究で補完されている。転写調節および転写後調節には、特に転写因子およびマイクロRNAが関与し、増殖性の分裂組織細胞と分化した窒素固定細胞の間の動的平衡を微調整している。最近になってこのような調節機構が同定されたことにより、根粒形成、および農業的に重要な共生窒素固定の過程が解明された。そして、分化した根細胞がどのようにして新器官へ再分化するための可塑性を獲得するのかに関するわれわれの理解が深まった。

M. Crespi, F. Frugier, De Novo Organ Formation from Differentiated Cells: Root Nodule Organogenesis. Sci. Signal. 1, re11 (2008).

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