Lymphoprep™は、Bøyum1) らの方法を応用して開発された、ヒト単核細胞(単球、リンパ球)分離用の遠心分離媒体です。新鮮なヒト末梢血(全血)から、単核細胞 (Peripheral Blood Mononuclear Cells; PBMC) をワンステップで分離します。Ready-to-useタイプのLymphoprep™ チューブもご用意しています。
アプリケーション
ヒト全血からのPBMC(リンパ球、単球)の分離
図1. ヒト血液細胞の密度と細胞数
Lymphoprep™は密度1.077g/mLを境に細胞画分を分離します。
データ
図2:Lymphoprep™を用いて分離後のチューブ写真
異なる6ドナーのサンプル全てで、再現性良く分離できた。
図3. 他社製品との性能比較
(左) Lymphoprep™を用いて分離したヒトPBMC。
(右) 他社製品を用いて分離したヒトPBMC。一部の細胞に空胞変性(矢印)の兆候が認められた。
使用方法
- 全血を抗凝固剤(EDTA、heparin、ACD)入りのチューブに回収、もしくは脱繊維血を使用して下さい。
- 全血サンプルを等量の0.9%NaClで希釈します。(1:1)
- 12-15mLの遠心チューブの中で、3ml の Lymphoprep™ 上層に 6ml の希釈血液を注意深く重層します。あるいは、Lymphoprep™ を希釈血液の下に重層する事も可能です。希釈血液と分離媒体が混ざらないよう注意して操作して下さい。エアロゾル形成を防ぐためキャップを閉めて下さい。
- 800 x g、20分、室温(20°C 程度)でスイングローターを用いて遠心します。2時間以上保存された血液を使用する場合、遠心時間を30分に増やして下さい。
- 遠心後は右図の様にサンプルと Lymphoprep™ の境界面に明瞭な単核細胞のバンドが形成されます。バンドをパスツールピペットで回収します。
- 回収した画分を 0.9% NaClもしくは培地を用いて希釈し、溶液の密度を下げ、250 x gで10分 遠心して細胞をペレット化します。
製品仕様
GMP準拠およびISO 13485認証を取得した製造業者であるSerumwerk Bernburg社によって、製造、品質管理されています。
Sodium diatrizoate | 9.1% (w/v) |
Polysucrose 400 | 5.7% (w/v) |
密度 | 1.077 ± 0.001 g/ml |
浸透圧 | 290 ± 15 mOsm |
エンドトキシン | < 1.0 IU/ml |
無菌性 | 滅菌済み。欧州薬局方の無菌試験にて確認 |
2) Favour, C. B. (1964) : Antigen-antibody reactions in tissue culture. Immunological Methods, ed. J. R. Ackroyd, pp. 195-223. Blackwell Scientific Publ., Oxford.
3) Harris, R. & Ukayiofo, E. V. (1969) : Rapid preparation for lymphocytes for tissue typing. Lancet 327, 7615.
4) Ting, A. & Morris, P. J. (1971) : A technique for lymphocyte preparation from stored heparinized blood. Vox Sang. 20, 561.
5) Thorsby, E. & Bratlie, A. (1970) : A rapid method for preparation of pure lymphocyte suspensions. Histocompatibility Testing 1970, ed P. I. Terasaki, p. 655 Munksgard, Copenhagen.
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
LymphoprepTM![]() |
SEW | 1856 | 250 ML |
¥14,000 |
LymphoprepTM![]() |
SEW | 1856 | 4*250 ML |
¥43,000 |
LymphoprepTM![]() |
SEW | 1858 | 6*500 ML |
¥104,000 |
Lymphoprep™ Tube
Lymphoprep™が 50 mL チューブに入っている滅菌済みReady-to-use タイプです。
チューブ内に多孔の仕切り板があるため、サンプルを直接チューブに注ぐことができ操作が簡便です。
![]() |
■ Lymphoprep™ チューブのサンプル * 無料サンプルは1研究室あたり1点のみです。 |
使用方法
- 全血を抗凝固剤(EDTA、heparin、ACD)入りのチューブに回収、もしくは脱繊維血を使用して下さい。
- Lymphoprep™ は使用前に1 分間、400xg で遠心し、Lymphoprep™ をチューブの底に移動させてください。
- 20-30 mL の希釈血液 (1:1) を 10 mL の Lymphoprep™ が入ったチューブに直接注ぎます。
- 800 x g、20分、室温(20°C 程度)でスイングローターを用いて遠心します。
- 遠心後は図の様にサンプルと Lymphoprep™ の境界面に明瞭な単核細胞のバンドが形成されます。バンドをパスツールピペットで回収します。もしくはチューブを静かに傾けて、しきり板の上部にある溶液を注ぎだすことも可能です。
- 回収した画分を 0.9% NaClもしくは培地を用いて希釈し、溶液の密度を下げ、250 x gで10分 遠心して細胞をペレット化します。
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
LymphoprepTM Tube (tube size: 50mL)![]() |
SEW | 18001 | 18*10 ML |
¥22,000 |
関連情報
- 特集:PBMC(末梢血単核細胞)
- Lympholyte® リンパ球 (PBMC)分離溶液
マウス/ ラット/ ウサギ/ ヒトなどの哺乳類細胞や末梢血からリンパ球の分離
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について