OptiPrep™とは?
OptiPrep™は、60% Iodixanol(イオジキサノール※1)溶液として提供されている、遠心分離媒体です。Iodixanolは、密度勾配分離の媒体としてよく利用されているショ糖に比べて粘性が低いため、取り扱いが簡単です。
また、ショ糖や塩化セシウムよりも浸透圧を低く保つことができるため、小胞や細胞へのダメージを抑えることが可能です。

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OptiPrep™は、60% Iodixanol(イオジキサノール※1)溶液として提供されている、遠心分離媒体です。Iodixanolは、密度勾配分離の媒体としてよく利用されているショ糖に比べて粘性が低いため、取り扱いが簡単です。
また、ショ糖や塩化セシウムよりも浸透圧を低く保つことができるため、小胞や細胞へのダメージを抑えることが可能です。
細胞 | 細胞小器官 | ウイルス | 高分子 |
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哺乳類細胞(血液細胞、神経系細胞など) 植物細胞(プロトプラスト)など |
細胞膜、リソソーム、ミトコンドリア、ゴルジ体、核、ペルオキシソームなど | AAV、HPV、ヘルペスウイルス、HCVなど | 細胞骨格、カプセル化された高分子化合物、複合体、血漿リポタンパク質など |
Optiprepを用いた分離技術の一例 | |||
血液細胞 単核細胞の分離 PMNsの分離 |
核の精製 ミトコンドリア画分 |
ウイルスの精製 | ヒト血漿リポタンパク質 |
Iodixanol | 60% (w/v) |
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密度 | 1.320 ± 0.001 g/mL |
エンドトキシン | < 1.0 IU/ml |
滅菌済み | Ph.Eur. |
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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OptiPrepTM![]() |
SEW | 1893 | 250 ML |
¥32,000 |
OptiPrep™ を用いて密度を調製た血漿にOptiPrep™ を重ねて遠心した。単核細胞は密度バリアの最上部に浮上し、赤血球および多形核白血球(PMNs)は血漿のロード位置に留まった。
右図は単核細胞懸濁液に血小板が完全に欠如していることを示す。
(参照:Application Sheet C06)
OptiPrep™ を用いて密度調整した血漿を遠心し、単核細胞を分表層に浮遊させた。(参照:Application Sheet C06)
浮遊法は種依存性が少なく、マウス、ラット、ウシの血液を用いた分離にも成功している。(参照:Application Sheets C07、C08、C09、C43)
マウス、ラット、ウサギ由来のPBMCの密度は、ヒト由来のものよりもわずかに高いと考えられています。これに対応するために分離媒体の密度を高めるとPBMCの回収率は良好になりますが、PMNsによる汚染が生じます。
この問題を解決する代替戦略として、
1. 分離媒体の密度を1.077 g/mLに維持しながら、浸透圧を調整する方法
2. 浮遊法(右図)があります。
1.077 g/mlと1.090 g/mlの2層の密度層を用いてPMNsの分離を行った。
単核細胞はLRPと1.077 g/mLの界面にバンドを形成した。PMNsは密度層の界面にバンドを形成した。LRPに残存する赤血球の大部分はペレット化した。
(参照:Application Sheet C12)
好塩基球を除いて、ヒト末梢血中の多形核白血球 (PMNs) の密度は主に 1.080 g/ml を超えていますが、単核細胞 (MC) の密度は 1.077 g/ml 未満です。赤血球の密度はより密度の高い好中球の密度と大幅に重複するため、単一ステップ法を使用してヒト全血から PMNs を分離することは容易ではありません。Optiprep™を用いることで、PMNsをペレット化ではなくバンド化することができます。
60%スクロース溶液 | ・100,000gで1~2時間遠心 ・十分な密度を持たないため核をバンド化できず、ペレット化して回収 |
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・塩化セシウム ・ジアトリゾエイト |
イオン濃度が高く、核タンパク質構造が乱れる一因に |
Iodixanol | ・等密度遠心法による分離:核の本来の状態をより保持した環境での精製 ・低粘度:より低い遠心力(g)かつ短時間(10,000g×20分)で精製 |
軽ミトコンドリア画分から細胞小器官(ゴルジ膜、リソソーム、ミトコンドリア、ペルオキシソーム)を分離することが可能です。スクロース勾配より浸透圧および粘度が低いため、分離能が向上します。
Iodixanolの浸透圧は多くのウイルスと類似しています。一方、スクロース溶液や塩化セシウムはウイルスより高浸透圧のため、ウイルスから水が失われ、密度が増加する要因となります。
自己形成グラジエントによるウイルスの精製のプロトコール概要(右図)
血漿リポタンパク質は密度によって高密度(HDL)、低密度(LDL)、および超低密度(VLDL)に分類されます。各クラスを浮遊分離する方法として、KBrまたはNaCl/KBr混合物を溶解して血漿の密度を段階的に上昇させる手法が広く使用されてきました。しかし、この操作は少なくとも3日要し、分析時には透析による塩の除去が必要となります。
一方、1996年に導入されたIodixanol勾配は数時間の遠心で完了し、Iodixanolは無毒で非イオン性であるため、分析時に媒体を除去する必要がありません。
カイロミクロンを含まない血漿とOptiPrep™ を混合し、2.5時間遠心した。最も密度の高いHDLは、最底部にバンドを形成する可溶性タンパク質と融合するが、VLDL、LDL、HDLの3種類はほとんど重ならずに分離された。右図に寒天ゲル電気泳動結果を示す。
(参照:Application Sheet M07)
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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