ELISA(Enzyme Linked Immunosolvent Assay)は、抗原抗体反応を利用して微量生体物質を定量する方法で、バイオテクノロジー分野で最も広く用いられています。測定はマイクロプレート上で行われ、サンドイッチ法(図1)もしくは競合法(図2)によって、対象物質を定量します。
直接法と間接法
■ 直接法
標識済みの抗体(或いは抗原=検出対象)を反応させる1-step 法。
メリット | デメリット |
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■ 間接法
検出対象と反応する非標識一次抗体と標識二次抗体を用いた2-step 法。
メリット | デメリット |
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ELISAに利用される酵素と基質
一般的な酵素は無色の基質を有色の物質へと変換させます。ELISAには可溶性生成物を生産する基質を使用します。
例えば、アルカリフォスファターゼ(ALP)により黄色の p-nitrophenol へ変換される p-nitrophenylphosphate (pNPP)などがあります。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)と一緒に使用される基質は、それぞれ緑色、オレンジ色、青色を発する 2, 2'-azo-bis(3-ethylbenzthiazoline-6-sulfonic acid)(ABTS)、o-phenylenediamine(OPD) および 3, 3', 5, 5'-tetramethylbenzidine base(TMB)などがあります。
上記比色定量用の基質でなく、化学発光基質、蛍光基質が使用されることもあります。抗体をビオチン(Biotin)化しておき、酵素で標識されたアビジン(Avidin)あるいはストレプトアビジンを用いることもあります。
ELISAのフォーマット
■ サンドイッチ法(図1)
測定対象となる標的物質を、2種類の抗体で挟むこと(サンドイッチ)によって測定する方法です。
抗原を異なる2つの抗体で捕捉・検出するので特異性が高く感度も高い方法です。
図1 サンドイッチ法ELISAのプロトコール
検出抗体が酵素標識されているものを使用する Direct sandwich ELISA,
検出抗体が酵素標識されておらず、さらに二次検出抗体を必要とする Indirect sandwich ELISA にわけられます。
[ディベロップメント(抗体ペア+スタンダード商品)]
サンドイッチ法での測定に必要な2種類の抗体とスタンダードが含まれています。お客様自身が、抗体をプレートに結合させるモジュールタイプの商品です。1セットで数プレート分相当の抗体が含まれており、大量のサンプルを低コストで処理する場合に適しています。
- MAB社、PTI社(ELISA Development Kit)、SIN社(ELISA pair set)、BBT社(DIY ELISA)など
■ 競合法(図2)
抗原あるいは抗体の標識体と非標識体を共存させ、抗原抗体反応の競合阻害によって、生じた吸光度の減少度合から定量する方法です。抗体の結合部位が一カ所しかないものや、小さい分子を測定することができます。
※競合法ELISAはサンプルまたはスタンダードにおける抗原が多いほど、測定値は低くなりますので、サンドイッチ 法ELISAとは逆の曲線を描きます。
図2 競合法ELISAのプロトコール
[キットの例]
■ 直接吸着法
プレート(固相)に抗原を直接吸着させ、酵素標識抗体により検出する方法。
[キットの例]
■ Cell-based ELISA
プレート上で培養した細胞に刺激/阻害等の処理をし、抗原特異的一次抗体、標識二次抗体を反応させます。細胞ライセートの調製が不要です。様々な阻害剤/活性化因子の効果を一度にスクリーニング可能です。
ELISA Kit 売れ筋メーカー
- CSB(WUHAN HUAMEI BIOTECH)社
- RBT(RayBiotech)社
- LSP(LifeSpan Biosciences)社
- ENZ(Enzo Life Sciences)社
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