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記事ID : 14439
研究用

活性型MMP-8/総MMP-8を同時測定! MMP-8 定量キット(MMP-8 activity assay)

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MMP-8 定量キット は、活性型MMP-8と総MMP-8(活性型MMP-8+前駆型MMP-8)量を異なるウェルで同時に測定可能なキットです。細胞培養培地、血清、血漿、尿、組織ホモジネートなどのヒト由来サンプルに使用できます。

背景

MMP-8とは?

MMP-8(Matrix Metalloproteinase-8)は、好中球ゼラチナーゼ、コラゲナーゼ2 とも呼ばれ、ネイティブコラーゲン(I型、II型、III 型コラーゲン)に対する基質特異性を示す酵素です(EC 3.4.24.34)。MMP-8は、もともと、多形核白血球(PMN 、好中球)で見つかり、顆粒中に含まれ、これらの細胞の活性化の際に分泌されます。近年では、MMP-8はまた、内皮細胞、軟骨細胞および滑膜線維芽細胞のような他の細胞によっても産生されることが見出されています。

ヒトMMP-8は、不活性な前駆型として生成・分泌されます。好中球の前駆型MMP-8は、75 kDaの分子量を持つ一方、他の細胞は、50-55 kDaの前駆型MMP-8を生成するなど、グリコシル化の違いによって分子量が異なります。その活性はZn2+とCa2+に依存します。前駆型MMP-8は、APMA(p-aminophenyl mercuric acetate)などの有機水銀化合物、過酸化水素や次亜塩素酸のような酸化剤、トリプシン、キモトリプシン、カテプシンG 、組織カリクレインおよびMMP-3のようなプロテアーゼによって in vitro で活性化することができます。TIMP-1またはTIMP-2は、1対1のモル比でMMP-8に結合することで、MMP-8活性を阻害します。

特長

  • 活性型MMP-8 と トータルMMP-8 を定量的に測定
  • 96ウェルフォーマット
  • ELISA相当の簡便性
  • 比色定量法(測定波長:405nm)
  • 一回のアッセイで低領域〜高領域を検出可能
  • ウェスタンブロットに代わる定量的アッセイ
  • 好中球マーカー(neutrophils (PMN))

<その他仕様>

  • 測定範囲:10 – 24000 pg/ml
  • 感度:
    100 pg/ml (2 hr インキュベート)
    24 pg/ml (6 hr インキュベート)
    4 pg/ml (24 hr インキュベート)
  • サンプル量:10 - 100 μl
  • フォーマット:96ウェルプレート
  • 適用サンプル:細胞培養培地、血清、血漿、尿、組織ホモジネート、滑液(Synovial fluid)

構成内容

  • F(ab’)2 goat anti-mouse 96ウェルマイクロプレート
    (12x8 well ready-to-use strips)
  • MMP-2 抗体
  • アッセイバッファー
  • APMA(p-Aminophenylmercuric acetate)
  • 検出酵素
  • ペプチド基質
  • 洗浄バッファー
  • ヒトMMP-8 スタンダード
    (50 µl of 480 ng/ml pro-MMP-8(human))

アッセイ原理

MMP-8 アッセイ原理
図1.活性型MMP-8とトータルMMP-8測定の原理

  • 活性型MMP-8: 直接測定
  • トータルMMP-8(活性型 + 前駆型):前駆型MMP-8をAPMAで活性化後に測定

プロトコール

活性型MMP-8の測定
  1. MMP-8 抗体を、F(ab’)2 goat anti-mouse 抗体がコートされたプレートに入れます。
  2. インキュベートおよび洗浄後、スタンダード、コントロール、サンプルを加えます。
  3. サンプル中に存在するMMP-8 は、抗体によって捕捉されます。
  4. インキュベートおよび洗浄後、前駆型検出酵素を加えます。活性型 MMP-8 によって活性型検出酵素になります。
  5. 活性型検出酵素が発色基質を切断して生成された黄色の色素を吸光度測定します。(405 nm)*
トータル ヒト MMP-8 の測定
(トータル MMP-8 の測定は、活性型 MMP-8 の測定方法に類似しています。)
  1. MMP-8 を抗体がコートされたプレートに結合させます。
  2. 結合した MMP-8 を APMA で活性化し、前駆型MMP-8 を活性型MMP-8 に変換します。
  3. 検出酵素と発色基質ペプチドを加えます。
  4. 放出された色素を 405 nm の吸光度で測定します。*

*検出試薬(検出酵素と基質の混合液)とのインキュベート時間を変更することで感度を調整することができます。

ヒト MMP-8定量キットのインキュベート時間と測定範囲
  • 2時間インキュベート
    Calculate the t= 2 hour data from the standard curve using the following range:
    0-0.19-0.38-0.75-1.5-3-6-12 ng/ml MMP-8
  • 6時間インキュベート
    Calculate the t= 6 hours data from the standard curve using the following range:
    0-0.047-0.094-0.19-0.38-0.75-1.5-3-ng/ml MMP- 8

(超低濃度領域を検出する場合、インキュベート24時間に時間を延長することも可能です。)

使用例

ヒトMMP-8測定(2時間インキュベーション)
ヒトMMP-8測定(6時間インキュベーション)
ヒトMMP-8測定(24時間インキュベーション)

図2.左:2時間インキュベート,中:6時間インキュベート,右:24時間インキュベート

 

MMP-8 定量キット(MMP-8 activity assay)

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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