記事ID ： 43402

COVID-19の研究に。ブロッキングペプチドの併用でより正確な実験ができます。抗ACE2(細胞外領域)抗体

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メーカー名：Alomone Labs

抗ACE2(細胞外領域)抗体は、ヒト、マウス、ラットのACE2細胞外領域を認識し、ウェスタンブロット、免疫組織化学等に使用することができます。
ACE2ブロッキングペプチド (抗原ペプチド。品番#BLP-AC012) を抗体に添加したネガティブコントロールをおくことでより正確な実験が可能です。

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本商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

背景

レニン-アンジオテンシン系は、多様なホルモンと受容体のシステムを通じて血圧を調節する中心的なメカニズムです。アンジオテンシン変換酵素 (ACE) は、デカペプチドAng Iの細胞外変換を触媒してAng IIの生成に関与するエクト型酵素であり、さらにACEは、血圧調節に重要な役割を果たす活性型ブラジキニン（BK）を分解しています。ACE2は、2000年に2つの独立した研究グループがAng IをAng (1-9) に変換できる相同性のあるACEをクローニングし、発見されました。配列解析の結果、ACEとACE2は42％のアミノ酸の相同性を示し、ACE2は遺伝子重複により進化したことが示唆されています⁽¹⁾。

ACE2は、M2メタロプロテアーゼに特徴的なHEXXHモチーフ、及び7つのN-結合型グリコシル化部位を持つペプチダーゼドメインをN末端側に持ちます。主に小腸、精巣、腎臓、心臓、甲状腺、脂肪組織、肺に発現し、心臓血管系と肺胞上皮細胞においては保護的な役割を担っていることが知られています。特に肺では、ACE2は多くの生理学的機能を持ち、そのほとんどは肺の傷害に対する保護です⁽²⁾。

ACE 2は、COVID-19の世界的大流行を引き起こしたSARS-CoV-2を含むSARS（重症急性呼吸器症候群）コロナウイルスの受容体であることが明らかになりました。SARSウイルスの結合は、ACE2の細胞内発現をダウンレギュレートし、結合はクラスリン依存的なウイルス/受容体（SARS/ACE2）複合体の内在化を誘導します。ACE2はSARSウイルスの侵入を容易にし、迅速な複製を可能にするだけでなく、細胞膜からACE2を枯渇させるため、Ang IIの障害作用が増強され、肺組織の急性劣化をもたらすことが報告されています⁽³⁾。

特長

商品名	抗ACE2(細胞外領域)抗体
品番	AAC-012
タイプ	ウサギポリクローナル
交差種	ヒト、マウス、ラット
アプリケーション	WB (ウェスタンブロット) 、IHC (免疫組織化学) 、IFC (フローサイトメトリー(間接法))、 LCI（ライブセルイメージング）
標識	非標識
別名	Angiotensin-Converting Enzyme 2, ACE-Related Carboxypeptidase, Angiotensin-converting enzyme homolog, ACEH, Metalloprotease MPROT15
抗原	ヒト ACE2 (Accession Q9BYF1) のアミノ酸残基 197 - 213 に対応するペプチド (C)EDYGDYWRGDYEVNGVD 。細胞外、N末端側。
抗原のホモロジー	ラット：17アミノ酸残基中14アミノ酸残基が同一。マウス：17アミノ酸残基中13アミノ酸残基が同一。
アイソタイプ	Rabbit IgG
精製方法	Affinity purified on immobilized antigen.
商品形態	凍結乾燥粉末(Lyophilized powder)
溶解方法(再構成)	25µL、50µLあるいは0.2mL (商品サイズに依ります) のdouble distilled water (DDW)に溶解ください。溶解後の溶媒はPBS, pH 7.4, 1% BSA, 0.05% NaN₃となります。
溶解後の濃度	0.8mg/mL
溶解後の保管方法	溶解後の抗体液は、4℃で1週間まで保存できます。それ以上の期間は、少量の分注物を-20℃で保存ください（凍結融解の繰り返しは避けてください）。使用前に抗体液を遠心 (10000×g 5分）してください。

適用例

ウェスタンブロット

図1. ラット小腸 (レーン1, 4) 、マウス肺 (レーン2, 5) 、マウス腎臓 (レーン3, 6) ライセートを用いたウェスタンブロット。
1-3: 抗ACE2抗体 (品番#AAC-012, 1:200).
4-6: ACE2ブロッキングペプチド（品番#BLP-AC012）とプレインキュベートした抗ACE2抗体。
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図2. ヒトHepG2肝細胞株ライセート (レーン1, 3) 、ヒトTHP-1単球性白血病細胞株ライセート (レーン2, 4) を用いたウェスタンブロット。
1-2: 抗ACE2抗体 (品番#AAC-012, 1:200).
3-4: ACE2ブロッキングペプチド（品番#BLP-AC012）とプレインキュベートした抗ACE2抗体。
※ブロッキングペプチドの使用法はこちら

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免疫細胞化学

図3. 抗ACE2抗体を用いた灌流固定ラット脳切片の免疫組織化学。
抗ACE2抗体 (品番#AAC-012, 1:200)、およびヤギ抗ウサギ抗体-AlexaFluor488を用いた。
A. ACE2の免疫反応 (緑) が神経細胞 (矢印) に現れた。
B. ACE2ブロッキングペプチド (品番#BLP-AC012) と共に一次抗体をプレインキュベーションすると、染色が抑制された。
細胞核 (青) はDAPIで染色した。
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フローサイトメトリー(間接法)

図4. フローサイトメトリーによる生きたヒトTHP-1単球性白血病細胞株の細胞表面ACE2の検出(間接法)。
黒：細胞
赤：細胞＋ヤギ抗ウサギ抗体-FITC
緑：細胞＋抗ACE2抗体 (品番#AAC-012), 2.5µg＋ヤギ抗ウサギ抗体-FITC

参考文献

Wong, M. (2016). Handbook of Hormones,?263, e29D-4.
Samavati, L. et al. (2020) Front. Cell. Infect. Microbiol., 5, 317.
Lubbe, L. et al. (2020) Clin. Sci., 134, 2851.

抗ACE2(細胞外領域)抗体　及びブロッキングペプチド

品名	メーカー	品番	包装	希望販売価格
Anti ACE2 (Rabbit)	ALO	AAC-012	25 UL	￥102,000
Anti ACE2 (Rabbit)	ALO	AAC-012	50 UL	￥126,000
Anti ACE2 (Rabbit)	ALO	AAC-012	0.2 ML	￥165,000
ACE2 (extracellular) Blocking Peptide	ALO	BLP-AC012	40 UG	￥57,000