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研究用

DNA二本鎖を切断してゲノム配列の任意の場所を削除、置換、挿入することができる新しい遺伝子改変技術 特集:CRISPR-Cas9 とは
DNA二本鎖を切断してゲノム配列の任意の場所を削除、置換、挿入することができる新しい遺伝子改変技術

DNA二本鎖を切断してゲノム配列の任意の場所を削除、置換、挿入することができる新しい遺伝子改変技術" data-hatena-bookmark-layout="standard-balloon" data-hatena-bookmark-lang="ja" title="このエントリーをはてなブックマークに追加">このエントリーをはてなブックマークに追加

CRISPR-Cas9(clustered regularly interspaced short palindromic repeats / CRISPR associated proteins)とは、DNA二本鎖を切断(Double Strand Breaks=DSBs)してゲノム配列の任意の場所を削除、置換、挿入することができる新しい遺伝子改変技術です。ZFN、TALENに続く第3世代のゲノム編集ツールとして2013年に報告されたCRISPR-Cas技術は、カスタム化(標的遺伝子の変更や複数遺伝子のターゲット)が容易であることから、現在、ヒトやマウスといった哺乳類細胞ばかりではなく、細菌、寄生生物、ゼブラフィッシュ、などの膨大な種類の細胞や生物種において、そのゲノム編集または修正に急速に利用されています。

CRISPR-Cas9システムは、細菌や古細菌においてウイルスやプラスミドといった遺伝的要素の侵入物を標的し、排除するよう進化した適応免疫の一つです。より詳細な情報をゲノム編集ハンドブックの「CRISPR-Cas9 システム概論」の項に記載していますので、カタログ請求よりご請求ください。

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ゲノム編集ハンドブック

CRISPR-Cas9 システム概要

CRISPR/Cas9 システム作用機序概要
図1. CRISPR/Cas9 システム作用機序概要

CRISPR-Cas9 システムを利用して、DNA に二本鎖切断(DSBs) を導入するためには、PAM配列、gRNA(ガイドRNA,guide RNA,sgRNA)、Casタンパク質(Cas,Cas9)の3つの要素が必要です。

PAM 配列(NGG)に隣接した標的部位に対し、ワトソン−クリック塩基対形成をベースにgRNA(ガイドRNA,guide RNA,sgRNA)を設計し、細胞や受精卵にプラスミド、あるいはウイルス粒子でCasと共導入します。導入されたgRNA(ガイドRNA,guide RNA,sgRNA)とCasタンパク質(Cas,Cas9)は複合体を形成します。gRNAがゲノム上の標的配列をみつけると、Cas9ヌクレアーゼがゲノムDNAの両鎖を切断し二重鎖切断が生じます。

CRISPR/Casシステムを利用したゲノム編集
図2.CRISPR-Casシステムを利用したゲノム編集

CRISPR-Cas9 システムによって二本鎖切断(DSBs)が導入されると、通常どおり、非相同末端連結(NHEJ)あるいは相同組換え修復(HR)の経路によって修復されますが、CRISPR-Cas9 を過剰発現しているため、繰り返し二本鎖切断(DSBs)が導入され、それにより修復エラーを誘導します。NHEJ 経路では、修復過程のエラーによって、欠失や挿入などの変異を導入することができ、これによって、遺伝子内の変異であれば、フレームシフトを引き起こし遺伝子が破壊(ノックアウト)されます( 図2.左 )。また、HR 経路の修復では、ドナーベクターを共導入することによって、切断部分に外来の遺伝子を挿入し、遺伝子ノックインやSNPsの置換を行うことが可能です( 図2.右 )。

オフターゲット作用とその解決策:ダブルニッキング法

CRISPR-Cas9 システムによるゲノム編集を行う際に、特にがん細胞においてはオフターゲット作用(設計したgRNAが標的配列以外の遺伝子/部位認識し、切断してしまう)が問題になる場合があります。オフターゲット作用を回避するためには、野生型のCas9の触媒領域の1つを不活性化させ、二本鎖切断(DSBs)ではなく一本鎖切断を行うニッカーゼ(Cas9(D10A))を利用することが有用です。

ダブルニッキング法概要
図3.ダブルニッキング法概要

この方法では、1つではなく2つのgRNAをゲノムDNAの近接領域の両鎖に配置します。改変したニッカーゼは、一本鎖切断のみを行うため、2つの標的部位に2つのgRNAが正しく接岸したときのみ二本鎖切断に近い状況を作りだすことで、オフターゲット作用を削減しながらゲノム編集を行うことが可能となります。ゲノムDNA上の期待しない単鎖の切れ目は、無傷の反対鎖を鋳型として相同配向性修復(HDR)経路により直ちに修復されます。ただし、一般的にはニッカーゼ(Cas9(D10A))のゲノム編集効率は野生型よりも劣ることが知られており、実験系によって適切な方法を選択する必要があります。

コスモ・バイオのゲノム編集ツール

コスモ・バイオでは、お客様のご要望や実験系に合わせてご選択いただける多数のゲノム編集ツールをご用意しております。また、各社商品のFAQやプロトコールもすべて和訳してご紹介していますので、以下のリンクまたはゲノム編集ハンドブックをご参照ください。

まずはできるだけ安く、簡単にはじめたい

Human,Mouse,Rat遺伝子を標的するgRNAをすべてデザイン済!プラスミド、レンチウイルス粒子、アデノウイルス粒子のなかからお好みのフォーマットをご利用頂けます。Casタンパク質は、野生型Cas9もしくはニッカーゼタイプから選択し、Co-transfectionして使用します。同じ研究室内で複数の細胞を扱う場合にはこちらがおすすめです。

標的遺伝子のノックアウト確率を高めたい

Human,Mouse遺伝子を標的するgRNAをすべてデザイン済で、二本鎖切断が起こりやすいようにgRNAと野生型Cas9を同時に発現するAll-in-Oneタイプの発現コンストラクトが、1遺伝子に対して2種類、さらに、二本鎖切断(DSBs)が導入された細胞のみを選択するためのドナーベクター(GFP-Puro 挿入用)、スクランブルコントロールベクターが1つのキットになった便利な商品です。

いくつも標的遺伝子があるので、ご自身でgRNAを挿入したい

CRISPR-Casシステムの最も素晴らしい点のひとつは、gRNAを変更するだけで標的遺伝子をいかようにも変更できる点です。複数遺伝子を同時にノックアウトすることも可能です。複数の標的遺伝子があり、そのたびにコンストラクトを購入するのは大変…という場合にはこちらがおすすめです。

実績のあるgRNA配列を利用したい

サンタクルズ社では、3種のgRNA+Cas9発現プラスミド(非ウイルス型/All-in-Oneタイプ)を混合したプール型のCRISPR-Cas9 ゲノム編集ツールをご提供しています。各gRNA配列は、GeCKO(Genome-scale CRISPR Knock-Out)ライブラリーと同一です。HumanおよびMouse用のgRNA+Cas9発現プラスミドをゲノムワイドにご用意しています。

ライブラリを用いて網羅的な解析を行いたい

Cellecta社のヒトゲノムワイドなプール型レンチウイルス sgRNA ライブラリーは標的遺伝子分野が異なる 3 つの Module から構成されており、機能欠損スクリーニングにご利用いただけます。各 Module には約 6,500 種類の遺伝子を標的とする約 55,000 種類の sgRNA が含まれており、各標的遺伝子に対して最大 8 種類の sgRNA が設計されております。本ライブラリーは sgRNA ごとに異なるバーコード配列が発現カセットに挿入されているため、スクリーニング後に次世代シーケンス解析することでノックアウトされた標的遺伝子を特定可能です。

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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