トロンビンとは?
凝固因子とは、正常な血液凝固(止血)のために不可欠な、一連の関連タンパク質です。損傷後、凝血塊が、損傷した血管をシールし、さらなる血液喪失を防ぐことにより、身体を守ります。プロトロンビン(Prothrombin:凝固第II因子)は、損傷が起こらない限り、不活性な形で血流中を循環します。損傷に応答して、プロトロンビンはその活性型であるトロンビンに転換されます。トロンビンは、次に、フィブリノゲンというタンパク質をフィブリンに転換します。トロンビンは、細胞の増殖および分裂、組織修復、血管新生のためにも重要です[PMID:11154146 、16549895 、15892853 、12421139 ]。
Humankine® Thrombin(Coagulation Factor II)商品について
アニマルフリー組換えヒトトロンビン(Thrombin)は、ヒト293細胞で発現されたリコンビナントタンパク質です。単量体の糖タンパク質として、見かけの分子量は36 kDaを示します。ヒト293細胞における産生は、確実なグリコシル化を実現します。トロンビンは、凝固タンパク質であるとともに、多様な凝固関連反応を触媒するセリンプロテアーゼでもあります。トロンビンは、プロテアーゼ活性化受容体を介して、さらなる細胞の挙動を調節し、血小板活性化を支持します。本製品は、血清フリーの既知成分(chemically defined)培地で、ヒト細胞発現システムを用いて製造されます。
■ HumanKine®(ヒューマンカイン)とは?
『HumanKine®(ヒューマンカイン)』は、ヒト細胞(HEK293細胞)発現系によって産生された組換えタンパク質製品です。大腸菌等の細菌(原核生物)発現系によって得られるタンパク質とは異なり、ヒト(真核生物/哺乳動物)由来細胞を用いて産生されるタンパク質は、ネイティブ型のコンフォメーションを取り、適切な翻訳後修飾を受けた「本物」のヒトタンパク質('authentic' human proteins)として機能し、優れた生物活性と安定性を示します。ヒューマンカインは、アニマルフリーおよびゼノフリー条件下で、タグが付加されないタンパク質として産生されます。エンドトキシンフリーのタンパク質をキャリアフリー包装にてお届けします。
「cGMPグレード」組換えタンパク質も提供できます
HumanKine®(ヒューマンカイン)は「標準研究グレード」に加えて「cGMPグレード」製品として提供できます。いずれのグレードであっても、米国のcGMPグレード施設で同一の発現系、製造工程、作業手順によって製造されています。そのため、2種類のグレード間における品質面や性能面の違いは実質的にはありません。それぞれのグレード間での大きな違いは、ISO 13484認証およびcGMP準拠の厳格な品質プロセスに準拠しているかどうかです。cGMPグレード製品の場合、規制に沿った文書化、徹底したQC、トレーサビリティ対応を実施しています。