I:精製と濃縮

図1 プロトコール
※下記の方法は,100mL のレンチウイルス上清の精製および濃縮用に記載しています。
※100mL より少ないウイルス上清をご使用される場合は,Reagent A,B(ステップ1)と精製バッファー(ステップ5)の量をご調整ください。
    - 1mL のViraBind™ レンチウイルスReagent A(100x)を100mL のウイルス上清に加えて混合します。混合後すぐに1mL のReagent B(100x)を加えて混合します。
 
    - 37℃で60分インキュベートします。
 
    - レンチウイルス混合液を15分間10,000 x g で遠心します(ペレットがご確認いただけます)。
 
    - 培地を注意深く吸い取り,ペレットを採取します。
 
    - ペレット化されたレンチウイルス複合体を2mL の精製バッファーで再懸濁します。
 ペレットを溶かすためにボルテックスします(白濁したように見えます)。 
    - 遠心チューブに溶かしたレンチウイルス複合体を入れ,10,000xg で5分間遠心します。
ここで,溶けなかった物質を除去します。上清を他のチューブに移します。 
    - 遠心型濃縮用チューブを組み立てます(図2)。
 
    - 0.5mL の溶かしたレンチウイルス複合体を濃縮用チューブ内のsample reservoir にアプライします。
 濃縮用チューブをセットし,卓上型遠心機で10,000 x g,10分遠心します。
 サンプルが濃縮されたら、次の濃縮用チューブにレトロウイルスを追加して下さい。
 フロースルーは捨てます。 
    - レンチウイルス液が200μl になるまで濃縮します。
 
    - 清潔なリカバリーを用いてレンチウイルス液を集めます。
最終量が200μl になるように精製バッファーで調節します。

図2 遠心型濃縮用チューブ 
    
II.精製カラム
    - 精製カラム内(図3)のマトリクスを上下に振って完全に懸濁します(白濁するまで混合します)。
 
    - 精製カラムを50mL のコニカルチューブにいれ,1,000rpm で3分間遠心します。
 
    - 精製カラムの底のチップを取り除き,すぐに空の50mL コニカルチューブに入れます。
青色のキャップを緩め,充填材の液を自然落下で落とします。 
    - 充填材の液が完全に落ちたら,200μl の濃縮したレンチウイルス液をカラムに加えます。
 充填材にいきわたるようにゆっくりと加えます。 
    - 濃縮したレンチウイルス液が充填材入れ,滴下が終わったら,コニカルチューブ内のフロースルーを捨てます。
 
    - ゆっくりと800μl の精製バッファーをカラムの上部に加えます。充填剤にいきわたるようにゆっくりと加えてください。
 滴下が終わったら,注意深く3mL の精製バッファーを同様に加えてください。 
    - カラムの滴下が止まったら,精製カラムを新しい50mL のコニカルチューブに移します。
 
    - 2.0mL の精製バッファーをカラムに加えて,フロースルーを採取します。

図3 精製カラム 
III.バッファー置換と濃縮
    - 遠心型濃縮用チューブを図2の通り組み立てます。
 
    - 0.5mL のリカバーしたレンチウイルスフラクション(上記ステップ8)を遠心型濃縮用チューブ内の sample reservoir にアプライします。濃縮用チューブを卓上型遠心機に入れ,10,000 x g で5分間遠心します。フラクションサンプルが濃縮されたら,濃縮用チューブに追加のレンチウイルスをいれ, 遠心します。フロースルーは廃棄します。
 
    - レンチウイルスフラクションを100μl になるまでsample reservoir 内で濃縮します。
 
    - 400μl のPBS またはご希望のバッファーを濃縮用チューブに加え,100μl になるまで遠心します。
 
    - ご希望の量まで濃縮します。
 
    - 新しいリカバリーチューブを用いて,濃縮されたサンプルを集めます。