セルバイオラボ社 レンチウイルスによる遺伝子デリバリー プロトコール内で使用した商品
技術情報
セルバイオラボ社 レンチウイルスによる遺伝子デリバリー
使用するキット
- ViraBind™ Lentivirus Concentration and Purification Kit(品番;VPK-090)
【特長】
- 迅速:4〜6時間でウイルス精製
- 高回収率:in vivo 研究に十分な500倍,109〜1010 TU/ml まで濃縮
- 高純度:回収率は60%以上
【構成内容】
- ViraBind™ Lentivirus Reagent A (100X)
- ViraBind™ Lentivirus Reagent B (100X)
- Purification Columns
- Centrifugal Concentrators
- Purification Buffer
プロトコール
I:精製と濃縮
図1 プロトコール
※下記の方法は,100mL のレンチウイルス上清の精製および濃縮用に記載しています。
※100mL より少ないウイルス上清をご使用される場合は,Reagent A,B(ステップ1)と精製バッファー(ステップ5)の量をご調整ください。
- 1mL のViraBind™ レンチウイルスReagent A(100x)を100mL のウイルス上清に加えて混合します。混合後すぐに1mL のReagent B(100x)を加えて混合します。
- 37℃で60分インキュベートします。
- レンチウイルス混合液を15分間10,000 x g で遠心します(ペレットがご確認いただけます)。
- 培地を注意深く吸い取り,ペレットを採取します。
- ペレット化されたレンチウイルス複合体を2mL の精製バッファーで再懸濁します。
ペレットを溶かすためにボルテックスします(白濁したように見えます)。 - 遠心チューブに溶かしたレンチウイルス複合体を入れ,10,000xg で5分間遠心します。
ここで,溶けなかった物質を除去します。上清を他のチューブに移します。 - 遠心型濃縮用チューブを組み立てます(図2)。
- 0.5mL の溶かしたレンチウイルス複合体を濃縮用チューブ内のsample reservoir にアプライします。
濃縮用チューブをセットし,卓上型遠心機で10,000 x g,10分遠心します。
サンプルが濃縮されたら、次の濃縮用チューブにレトロウイルスを追加して下さい。
フロースルーは捨てます。 - レンチウイルス液が200μl になるまで濃縮します。
- 清潔なリカバリーを用いてレンチウイルス液を集めます。
最終量が200μl になるように精製バッファーで調節します。
図2 遠心型濃縮用チューブ
II.精製カラム
- 精製カラム内(図3)のマトリクスを上下に振って完全に懸濁します(白濁するまで混合します)。
- 精製カラムを50mL のコニカルチューブにいれ,1,000rpm で3分間遠心します。
- 精製カラムの底のチップを取り除き,すぐに空の50mL コニカルチューブに入れます。
青色のキャップを緩め,充填材の液を自然落下で落とします。 - 充填材の液が完全に落ちたら,200μl の濃縮したレンチウイルス液をカラムに加えます。
充填材にいきわたるようにゆっくりと加えます。 - 濃縮したレンチウイルス液が充填材入れ,滴下が終わったら,コニカルチューブ内のフロースルーを捨てます。
- ゆっくりと800μl の精製バッファーをカラムの上部に加えます。充填剤にいきわたるようにゆっくりと加えてください。
滴下が終わったら,注意深く3mL の精製バッファーを同様に加えてください。 - カラムの滴下が止まったら,精製カラムを新しい50mL のコニカルチューブに移します。
- 2.0mL の精製バッファーをカラムに加えて,フロースルーを採取します。
図3 精製カラム
III.バッファー置換と濃縮
- 遠心型濃縮用チューブを図2の通り組み立てます。
- 0.5mL のリカバーしたレンチウイルスフラクション(上記ステップ8)を遠心型濃縮用チューブ内の sample reservoir にアプライします。濃縮用チューブを卓上型遠心機に入れ,10,000 x g で5分間遠心します。フラクションサンプルが濃縮されたら,濃縮用チューブに追加のレンチウイルスをいれ, 遠心します。フロースルーは廃棄します。
- レンチウイルスフラクションを100μl になるまでsample reservoir 内で濃縮します。
- 400μl のPBS またはご希望のバッファーを濃縮用チューブに加え,100μl になるまで遠心します。
- ご希望の量まで濃縮します。
- 新しいリカバリーチューブを用いて,濃縮されたサンプルを集めます。