IB型PI3K経路

PI3K Class IB Pathway

Connections Maps

Sci. STKE, 9 October 2007 Vol. 2007, Issue 407, p. cm2
[DOI: 10.1126/stke.4072007cm2]

Simon Andrews1, Len R. Stephens2*, and Phillip T. Hawkins2*

1Bioinformatics Group,
2Inositide Laboratory, The Babraham Institute, Babraham Research Campus, Cambridge CB22 3AT, UK.
*Corresponding authors. E-mail, phillip.hawkins@bbsrc.ac.uk (P.H.); len.stephens@bbsrc.ac.uk (L.S.)

要約  I型ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)は、多種多様な細胞表面受容体が細胞の増殖、分裂、生存、運動などのさまざまな細胞機能を制御する機構において重要な役割を果たす、解析の進んだシグナル伝達酵素である。IB型PI3K(PI3Kγとしても知られる)は、迅速に作用するヘテロ三量体GTP結合タンパク質共役型受容体をこの経路にアクセスさせる。IB型PI3Kの活性化によって、細胞膜ではホスファチジルイノシトール-3,4,5-トリスリン酸[PI(3,4,5)P3]とその脱リン酸化産物であるPI(3,4)P2が迅速に合成される。これら2つの脂質メッセンジャーは、プレクストリンホモロジー(PH)ドメインを有する複数のエフェクターに結合し、これらは共同して受容体活性化の下流にある複雑なシグナル伝達網を調節する。この経路は、細胞の運動、接着、収縮、分泌を制御するプロテインキナーゼや低分子量グアノシントリホスファターゼの活性を調節する。IB型PI3Kを活性化させることが証明されているリガンドのほとんどは、免疫系や血管内膜において複数の細胞種を調節することにより、損傷や感染に対する身体応答の協調に関与している。ヒト炎症性疾患のモデルマウスの実験では、IB型PI3Kの触媒サブユニットが欠損したマウスは、いくつかの炎症病態の発症に対して著しい抵抗性を示す。このような結果は、IB型PI3Kの低分子阻害薬が、既存の抗炎症治療を補足する新しいクラスの治療薬となる可能性を示唆する。

S. Andrews, L. R. Stephens, P. T. Hawkins, PI3K Class IB Pathway. Sci. STKE 2007, cm2 (2007).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る