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心血管疾患 血圧を低く保つMasの役割?

CARDIOVASCULAR DISEASE:
A Role for Mas in Keeping Blood Pressure Down?

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2003, Issue 192, pp. tw280, 22 July 2003.
[DOI: 10.1126/stke.2003.192.tw280]

要約 : アンジオテンシンII(Ang II)は、アンジオテンシノーゲンがレニンおよびアンジオテンシン変換酵素によって経時的に分解された際に生じる産物であり、レニン-アンジオテンシン系(RAS)のエフェクターとして、血圧の調節および循環器疾患の発病に重要な役割を持つと長い間考えられてきた。しかし最近の研究により、ペプチドアンジオテンシン-(1-7)[Ang-(1-7)]は別の分解経路を介して産生され、Ang IIの作用に拮抗する心血管作用を持つだけでなく、生理学的に意義のあるRASのエフェクターでもあることが示唆されている。Santosらは、オーファンへテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)共役型受容体(GPCR)MasがAng-(1-7)の機能的受容体であり、Ang-(1-7)活性の分子的基盤となることを突き止めた。著者らは、オートラジオグラフィー解析を用いて、野生型マウスおよびMasを欠損させた変異マウスの腎臓切片とAng IIおよびANG-(1-7)との結合を比較した。Mas欠損マウスでは、特異的なANG-(1-7)結合が失われたのに対し、特異的なANG II結合は影響を受けなかった。Ang-(1-7)はMasをトランスフェクトしたCos細胞株およびチャイニーズハムスター卵巣細胞株からのアラキドン酸放出を誘発し、Masトランスフェクト細胞に対する特異的結合を示した。Masをノックアウトしたマウスは、水分負荷後のAng-(1-7)に対する野生型抗利尿反応が失われ、変異マウスの大動脈輪にはAng-(1-7)依存性の弛緩は認められなかった。これらのデータは、Masが生理学的に活性のあるAng-(1-7)受容体であることを示しており、心血管疾患の新たな治療法に向けた道を開いている。

R. A. S. Santos, A. C. Simoes e Silva, C. Maric, D. M. R. Silva, R. P. Machado, I. de Buhr, S. Heringer-Walther, S. V. B. Pinheiro, M. T. Lopes, M. Bader, E. P. Mendes, V. S. Lemos, M. J. Campagnole-Santos, H.-P. Schultheiss, R. Speth, T. Walther, Angiotensin-(1-7) is an endogenous ligand for the G protein-coupled receptor Mas. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 100, 8258-8263 (2003).

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