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免疫学 免疫シナプスで微小管を脱アセチル化する

IMMUNOLOGY:
Deacetylating Microtubules at the Immune Synapse

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 230, pp. tw148, 27 April 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2302004TW148]

要約 : 抗原提示細胞(APC)によるT細胞の活性化は、抗原受容体などのシグナル伝達分子の超分子クラスターを特徴とする、特殊な接合点である免疫シナプスの形成を伴う。この過程にはアクチン細胞骨格が関与していると考えられてきたが、T細胞の活性化における微小管の役割はあまり理解されていない。Serradorらは、免疫細胞化学と共焦点顕微鏡との組み合わせにより、アセチル化された微小管はジャーカットT細胞とAPCの接合部位に集中し、そこでCD3およびインテグリンLFA-1のクラスターを取り囲んでいることを示した。T細胞とAPCとが会合すると、まずチューブリンのアセチル化が短時間減少し、その後増加する。HDAC6(α-チューブリンを脱アセチル化する)は、T細胞とAPCとの接触部位に集中しており、免疫学的シナプスの成熟に伴って、中心の接触領域から周辺部へと再分布される。緑色蛍光タンパク質(GFP)で標識したHDAC6を過剰発現させると、接触領域における微小管のアセチル化は減少し、免疫シナプスの中心領域のCD3、および周辺のLFA-1のクラスタリングが阻害された。それに対して、アセチラーゼを欠損させた変異体を発現させてもそれらは阻害されなかった。HDAC6阻害剤トリコスタチンを添加すると、接触領域のアセチル化α-チューブリンの染色は増強され、HDAC6過剰発現の影響を阻害し、CD3のクラスタリングを加速した。同様に、siRNAによりHDAC6をノックダウンすると、チューブリンのアセチル化は減少し、CD3のクラスタリングは促進された。また、HDAC6を過剰発現させたところ、T細胞の活性化に付随して起こる別の過程である、微小管形成中心の再配向は阻害され、インターロイキン-2の産生が阻止された。以上のデータは、T細胞の活性化におけるHDAC6の活性と免疫シナプスの発達とを関連づけ、その影響が微小管の局所的な脱アセチル化を介している可能性を示唆するものである。

J. M. Serrador, J. R. Cabrero, D. Sancho, M. Mittelbrunn, A. Urzainqui, F. Sanchez-Madrid, HDAC6 deacetylase activity links the tubulin cytoskeleton with immune synapse organization. Immunity 20, 417-428 (2004).

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