• ホーム
  • 細胞骨格 Argはアクチンと微小管とを結びつける

細胞骨格 Argはアクチンと微小管とを結びつける

CYTOSKELETON:
Arg Links Actin and Microtubules

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 233, pp. tw174, 18 May 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2332004TW174]

要約 : 微小管とアクチン細胞骨格とは、細胞運動の際に連携して働く。事実、微小管捕獲部位は表層アクチンネットワークにある。Millerらは、細胞運動および細胞形態を制御する非受容体型チロシンキナーゼのAblファミリーのタンパク質で、アクチンと微小管の結合部位をともに持つAbl関連遺伝子(Arg)に、アクチンと微小管の細胞骨格を結びつける役割があることを示している。Argがアクチンの束化を促進することは、以前in vitroおよびin vivoにおいて示された。Millerらは、フィブロネクチンに撒種したArg欠損線維芽細胞は、野生型細胞にみられる葉状仮足および膜ラフリングを形成しないことを示している。ArgまたはArg-YFP(緑色蛍光タンパク質変異体)融合タンパク質を導入したところ、葉状仮足の欠損が回復した。In vitroにおいて、Argは微小管とともに沈降したが、この相互作用には、C末端領域の微小管結合モチーフが必要であった。Argを、微小管および繊維状アクチン(F-actin)を混ぜておくと、架橋された配列が形成されるか、これらの3つすべての成分がともに沈降した。Arg-YFPを、形質移入したarg-/-細胞で発現させたところ、細胞突起部位の細胞周囲に集まり、こうした部位では、F-actinおよび微小管の密集が促進された。このArgの密集には、アクチン細胞骨格(密集がlatrunculin Aによって破壊された)および微小管(密集がノコダゾールによって破壊された)が必要であった。さらに、微小管結合部位とアクチン結合部位をともに含むC末端領域は、arg-/-細胞の葉状仮足の欠損から回復させ、細胞突起においてArg、F-actin、微小管が集まる領域の形成を促進するうえで必要であった。以上より、Argは、アクチンと微小管の細胞骨格を結びつけるタンパク質の一つで、細胞外基質との相互作用に応じて、細胞を形態変化させると考えられる。

A. L. Miller, Y. Wang, M. S. Mooseker, A. J. Koleske, The Able-related gene (Arg) requires its F-actin-microtubule cross-linking activity to regulate lamellipodial dynamics during fibroblast adhesion. J. Cell Biol. 165, 407-419 (2004).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る