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神経生物学 アストロサイトのシナプス

NEUROBIOLOGY:
Astrocytic Synapses

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 236, pp. tw201, 8 June 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2362004tw201]

要約 : ニューロンだけでなく、アストロサイトも活発にシグナル伝達を行っているという考え方が認められつつある。実際に、アストロサイトがカルシウム依存性の機構を介してグルタミン酸を放出していることを示す証拠がある。Bezziらは、海馬アストロサイトのin situ超微細構造解析を行い、これらのグリア細胞の一部に、小胞性グルタミン酸輸送体およびSNARE融合複合体の各種成分に陽性を示す小胞領域があることを示した。この領域は、ニューロン構造に隣接する原形質膜近傍に位置する。実際に、いくつかの小胞は、グルタミン酸のN-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)受容体陽性であるニューロンの細胞膜の向かい側に存在していた。グルタミン酸の放出および小胞融合は、ジヒドロキシフェニルグリシン(DHPG)を培養アストロサイトに加えることにより活性化された。アストロサイトとニューロンの違いとしては、小胞の密度(アストロサイトはニューロンのシナプスより小胞の密度が低い)や小胞融合の速度(培養アストロサイトは活性化ニューロンより遅い)などがあった。いずれにせよ、以上の結果は、グリア-ニューロン間のコミュニケーションがシナプス様の機構により生じ、それによりグリアは、細胞膜に隣り合う部位において、カルシウムにより活性化される小胞融合を介して神経伝達物質を放出することにより、隣接するニューロンを活性化していることを示唆している。

P. Bezzi, V. Gundersen, J. L. Galbete, G. Seifert, C. Steinhauser, E. Pilati, A. Volterra, Astrocytes contain a vesicular compartment that is competent for regulated exocytosis of glutamate. Nat. Neurosci. 7, 613-620 (2004).

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