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免疫 B7を介して自己免疫応答を抑制する

IMMUNOLOGY:
Suppressing Autoimmune Responses Through B7

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 242, pp. tw258, 20 July 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2422004tw258]

要約 : CD4+CD25+制御性T細胞(Treg)は、自己免疫活性を抑制するうえで重要な役割を担っている。これらのT細胞がin vitroにおいて他のリンパ球の増殖を阻害する能力は直接的な接触に依存するが、その根底にある機構は明らかでない。Paustらは、抗原提示細胞(APC)で発現し、T細胞に共刺激シグナルを伝達するB7膜貫通タンパク質が、活性化T細胞でも発現していることに注目し、Tregを介した抑制におけるB7の役割を調べた。B7がAPCに存在するかどうかにかかわらず、Treg細胞は、B7を欠損するマウスから分離した活性化CD4+CD25-Tヘルパー(Th)細胞(B7欠損Th)のin vitroにおける増殖を抑制できなかった。B7-1(CD80)またはB7-2(CD86)を欠損するTh細胞の増殖は、Tregに一部抵抗を示したが、両方を欠損する細胞は完全に抵抗を示した。野生型Th細胞またはB7欠損Th細胞をRAG-2-(遺伝子再構成活性化遺伝子2欠損)マウス(このマウスではリンパ球が欠損している)に移入したところ、自己免疫性胃炎および大腸炎が促進された。ところが、B7欠損Th細胞を投与されたマウスも消耗症により死亡したが、野生型Th細胞を投与されたマウスと異なり、Tregは自己免疫症状を抑制しなかった。Treg抑制に対するB7欠損Th細胞のin vitro感受性は、Th細胞にB7-1をウイルス感染させることにより回復した。全長B7-1またはB7-2をRAG2-マウスに養子移植法により移入したところ、B7欠損Th細胞増殖のTreg抑制に感受性を与えたが、グリコソフォスファチジルイノシトール(GPI)シグナル配列でアンカーされたB7-1またはB7-2の細胞外ドメインから成る変異体(APCで発現させると共刺激活性が保持される)は感受性を与えなかった。以上より、B7は膜貫通ドメインや細胞質ドメインを必要とするoutside-in型のシグナル伝達を介して、Th細胞のTreg抑制を仲介すると考えられる。

S. Paust, L. Lu, N. McCarty, H. Cantor, Engagement of B7 on effector T cells by regulatory T cells prevents autoimmune disease. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 101, 10398-10403 (2004).

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