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細胞接着と遊走 Ena/VASPの新たなパートナー

CELL ADHESION AND MIGRATION:
New Partners for Ena/VASP

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2004, Issue 255, pp. tw370, 19 October 2004.
[DOI: 10.1126/stke.2552004tw370]

要約 : Ena/VASPファミリーのタンパク質は、細胞接着、極性化、遊走時にアクチン再構築部位に会合する細胞骨格の重要な制御因子である。接着班や葉状仮足などの部位において、Ena/VASPタンパク質は、プロリンに富むタンパク質相互作用ドメインEVH1に結合するタンパク質との会合を介してだけでなく、アクチンやプロフィリンとの相互作用を介して局所的なアクチン動態を変化させる。Ena/VASPタンパク質が特異的な細胞シグナルに応じてアクチン動態を局所的に変化させる過程は、十分に理解されていない。現在、2つの関連するアダプタータンパク質が、局所的な膜に基づいたシグナル伝達と細胞骨格再構築を関連づけるEna/VASP結合パートナーとして同定されている。Krauseらは、哺乳類のラメリポディン(Lpd)(その線虫(C. elegans)オルソログであるMig-10はニューロン遊走を制御する)がEna/VASPタンパク質に結合することを突き止めた。LpdおよびEna/VASPタンパク質は、ともに各種の哺乳類細胞において葉状仮足の先端部分に局在化し、初代培養皮質ニューロンからのタンパク質複合体に分離された。ところが、Lpdの局在化は、Ena/VASPの存在には依存していなかった。それよりむしろ、Lpdは、LpdにおけるEVH1結合モチーフ依存性の会合で、Ena/VASPタンパク質の局在化を誘導していた。LpdにおけるRas会合(RA)および脂質結合PHドメインは、葉状仮足の先端縁へと向かわせるために必要であった。PHドメインは、細胞極性化に関与するホスホイノシチドPI(3、4)P2と特異的に会合していた。Lpdを過剰発現させると、Ena/VASP発現を必要とする作用である、線維芽細胞における葉状仮足の突出速度も上昇した。RNA干渉によりLpdをノックダウンしたところ、葉状仮足におけるアクチン重合が減少し、葉状仮足の形成が損なわれた。Lpd同様に、Lafuenteらにより、Rap-1と相互作用するアダプター分子(RIAM)が、もうひとつのEna/VASPと相互作用するタンパク質として同定された。RIAMおよびLpdは、いずれも同様のタンパク質ドメイン構造を示し、MRL(Mig-10/RIAM/Lpd)と呼ばれる新しいアダプタータンパク質ファミリーを構成する。RIAMは、活性化T細胞において、原形質膜に局在化して細胞接着や伸展を制御するRasスーパーファミリーの活性化Rap1と会合した。また、RIAMは、T細胞において、活性化Rap1が原形質膜に局在化して、インテグリンを介する接着を活性化するために必要であった。RIAMは、葉状仮足の先端縁全体に分布しており、過剰発現すると細胞接着が誘導された。RNA干渉によりRIAM発現をノックダウンしたところ、重合Fアクチンの細胞内含量および接着が減少した。RIAMおよびLpdは、いずれも葉状仮足の先端縁にみられるが、Lpdは活性化Rap1に結合せず、接着班に局在化しなかったことから、これら2つのアダプターは、Ena/VASPを類似の細胞内部位にある異なるシグナル伝達経路に関連させている可能性が示唆される。これら2つのアダプタータンパク質は、ホスホイノシチドおよびRasスーパーファミリータンパク質の両方からのシグナルを一体化し、Ena/VASPとの会合を介してアクチンを誘導している可能性がある。

M. Krause, J. D. Leslie, M. Stewart, E. M. Lafuente, F. Valderrama, R. Jagannathan, G. A. Strasser, D. A. Rubinson, H. Liu, M. Way, M. B. Yaffe, V. A. Boussiotis, F. B. Gertler, Lamellipodin, an Ena/VASP ligand, is implicated in the regulation of lamellipodial dynamics. Devel. Cell 7, 571-583 (2004). [Online Journal]
E. M. Lafuente, A. A. F. L. van Puijenbroek, M. Krause, C. V. Carman, G. J. Freeman, A. Berezovskaya, E. Constantine, T. A. Springer, F. B. Gertler, V. A. Boussiotis, RIAM, an Ena/VASP and profilin ligand, interacts with RAP1-GTP and mediates Rap1-induced adhesion. Devel. Cell 7, 585-595 (2004). [Online Journal]

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