• ホーム
  • 植物生物学 植物ホルモン受容体は破壊戦略を共有する

植物生物学 植物ホルモン受容体は破壊戦略を共有する

PLANT BIOLOGY:
Plant Hormone Receptors Share Destructive Strategy

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2005, Issue 304, pp. tw346, 4 October 2005.
[DOI: 10.1126/stke.3042005tw346]

要約 : ジベレリン(GA)は、植物の発生を調節する疎水性カルボン酸分子である。Ueguchi-Tanakaらは、GA受容体の同定と性質の決定というこれまで困難だった目標を達成したと発表した。著者らは、まずこのホルモンの作用に対して感受性を示さない植物のスクリーニングを行った。こうして得た変異体のひとつであるgid1(ジベレリン非感受性矮性1)は、GAに抵抗性を示し、遺伝学的実験において既知のGAシグナル伝達中間体の上流で作用するようであった。GID1の受容体機能は、いくつかの証拠により強力に裏付けられた。GID1はin vitroにおいてGAとマイクロモルの結合親和性で結合し、生物機能が低下した変異体はGA結合が損なわれていた。酵母ツーハイブリッド法において、GID1はタンパク質SLR1とGA依存的に結合した。SLRはGAシグナル伝達経路の一因子であり、ユビキチン依存性分解を介して活性が制御される転写抑制因子であると推定される。さらに、GID1を過剰発現する遺伝子組換え植物は、GAへの感受性が亢進した。哺乳類のホルモン感受性リパーゼと配列類似性を有するGID1タンパク質の正確なシグナル伝達メカニズムはまだ明らかでないが、この受容体が負の調節因子(SLR1)のタンパク質分解を調節しているらしいことは興味深い。このメカニズムは、別の植物ホルモンであるオーキシンが異なる転写抑制因子の分解を促すという最近示されたメカニズムを想起させる。オーキシン受容体とGID1は構造上はっきりと異なるが、いずれもプロテアソームによる転写制御因子の選択的分解を調節するようである。

M. Ueguchi-Tanaka, M. Ashikari, M. Nakajima, H. Itoh, E. Katoh, M. Kobayashi, T. Chow, Y. C. Hsing, H. Kitano, I. Yamaguchi, M. Matsuoka, GIBBERELLIN INSENSITIVE DWARF1 encodes a soluble receptor for gibberellin. Nature 437, 693-698 (2005). [PubMed]

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る