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免疫 受容体とサイトカイン輸送

IMMUNOLOGY:
Receptors and Cytokine Transport

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2006, Issue 325, pp. tw81, 7 March 2006.
[DOI: 10.1126/stke.3252006tw81]

要約 : 好酸球は、感染に対する体内の最初の防御である自然免疫応答に関与する白血球である。これらの細胞は、必要に応じて免疫応答を増強するサイトカインを分泌する。これらのサイトカインは、細胞質顆粒に貯蔵される。これらの顆粒はサイトカインの混合物を貯蔵するが、好酸球はある刺激に応じて特定のサイトカインを分泌できるという注目すべき能力を持つ。Spencerらは、細胞が不活性型のサイトカイン受容体を用いて、特定のサイトカインを選別して細胞表面に移動させ、分泌することを示す証拠を提示している。好酸球は、IL-12やインターフェロン‐γではなく、インターロイキン‐4(IL-4)を分泌することによって、サイトカインであるエオタキシン(CCL11とも呼ばれる)に応答する。Spencerらは、IL-4が細胞質顆粒に存在することを示し、IL-4受容体タンパク質であるIL-4Rαのこれまで認識されていなかったプールも顆粒中に存在することを発見した。細胞がエオタキシンによる刺激を受けると、IL-4受容体のリガンド結合サブユニットであるIL-4Rαは、細胞質顆粒から出芽するように見える小胞にIL-4とともに移行することが免疫電子顕微鏡法により示された。受容体シグナル伝達に必要なγcとして知られるIL-4受容体サブユニットは、IL-4Rα鎖とともに輸送されることはなかった。このように、好酸球は、受容体を介する不必要なシグナル伝達を回避しながら、サイトカインに結合する受容体サブユニットを用いてIL-4を選択的に動員させるようである。

L. A. Spencer, R. C. N. Melo, S. A. C. Perez, S. P. Bafford, A. M. Dvorak, P. F. Weller, Cytokine receptor-mediated trafficking of preformed IL-4 in eosinophils identifies an innate immune mechanism of cytokine secretion. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 103, 3333-3338 (2006). [Abstract] [Full Text]

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