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Gタンパク質 GαのエフェクターかつGβ様パートナーであるエンドソームPI3K

G PROTEINS:
Endosomal PI3K, Effector and Gβ-Like Partner for Gα

Editor's Choice

Sci. STKE, Vol. 2006, Issue 344, pp. tw234, 18 July 2006.
[DOI: 10.1126/stke.3442006tw234]

要約 : 酵母の接合フェロモンシグナル伝達には、Gタンパク質βγサブユニットが必要である。しかし、構成的活性型のGα(Gpa1Q323L)は、接合応答の多くを促進する。Slessarevaらは、酵母欠失変異体のスクリーニングすることによって、Gpa1Q323Lによって誘導される接合応答を仲介するためには、III型ホスホイノシチド3‐キナーゼ(PI3K)の触媒サブユニットであるVps34および調節サブユニットであるVps15が必要であることを突き止めた。PI3Kのいずれかのサブユニットを欠失する酵母では、接合フェロモンへの応答は減少したが、なくなることはなかった。Gpa1Q323LとPI3Kはいずれもエンドソームに局在化したのに対して、野生型Gpa1は主に細胞膜に存在した。Gpa1は、PI3Kの両サブユニットと直接相互作用した(精製タンパク質または酵母細胞で発現させたタンパク質を用いた同時精製実験による)。活性化したGpa1は、PI3Kの触媒サブユニットとの結合が強まっており、PI3Kの調節サブユニットは不活性なGpa1と相互作用した。Gpa1Q323Lを発現する細胞では、ホスファチジルイノシトール3‐リン酸の産生が増大していたことから、PI3Kの触媒サブユニットはGαの真のエフェクターであった。調節サブユニットVps15のモデリングにより、このサブユニットは、Gβサブユニットに似た7枚羽根のプロペラ構造をとることが示唆される。著者らは、PI3Kはエンドソームに局在するGαのエフェクターかつβサブユニットとして機能するのではないかと提案している。Gαがどのようにエンドソームで活性化して局在化するのか、PI3Kがフェロモンシグナル伝達においてどのような役割を担うのか、疑問は残る。しかしながら、これらの結果は、内膜からのシグナル伝達に対するGタンパク質の役割を拡大し、GαがPI3Kのエフェクター・βサブユニットとの相互作用を介して活性と不活性との間を循環するという、新規の調節メカニズムを示唆するものである(考察はKoelle参照)。

J. E. Slessareva, S. M. Routt, B. Temple, V. A. Bankaitis, H. G. Dohlman, Activation of the phosphatidylinositol 3-kinase Vps34 by a G protein subunit at the endosome. Cell 126, 191-203 (2006). [Online Journal]

M. R. Koelle, Heterotrimeric G protein signaling: Getting inside the cell. Cell 126, 25-27 (2006). [Online Journal]

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