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発生生物学 マウス神経発生におけるTLR8

Developmental Biology TLR8 in the Developing Mouse Nervous System

Editor's Choice

Sci. STKE, 31 October 2006 Vol. 2006, Issue 359, p. tw367
[DOI: 10.1126/stke.3592006tw367]

Nancy R. Gough

Science’s STKE, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : ショウジョウバエでは、Toll受容体が胚発生時に機能し、神経発生における背腹軸を特定する。哺乳類では、転写因子である核内因子κB(NF-κB)の活性化を介する自然免疫応答のイニシエータとして、Toll様受容体(TLR)がよく知られている。Maらは、マウス脳と末梢神経節の発生時には、TLR8が動的に発現することを示している。胎生16日目のマウスから得た培養皮質ニューロンは、核周囲領域や神経突起、成長円錐において、豊富な細胞質TLR8を有していた。膜透過性作用物質であるレシキモド(R-848)の使用は、短い神経突起と細胞死の増加をもたらした。細胞死はカスパーゼ阻害により阻止されたが、神経突起長の短縮は阻止されなかった。TLR8の機能阻害抗体を導入したところ、R-848を介する神経突起長の短縮が部分的に抑制され、カスパーゼ-3の活性化が低下した。TLR8はNF-κBを活性化しなかっただけでなく、典型的なTLRシグナル伝達経路の活性化の他の特徴も促進しなかったことから、ニューロンではTLR8が異なる経路を介して作用すると考えられる。R-848に24時間(神経突起伸展と細胞死への実質的影響がみられる時間)曝露したところ、IκBα(NF-κB経路の阻害因子であると同時に、NF-κB非依存的な転写制御因子でもある)とIRAK-4(インターロイキン-1受容体会合キナーゼ4)の含有量が低下した。以上より、TLR8は、非典型的なシグナル伝達経路を介する胚発生時の神経突起伸長と生存の負の調節因子であるかもしれない。

Y. Ma, J. Li, I. Chiu, Y. Wang, J. A. Sloane, J. Lu, B. Kosaras, R. L. Sidman, J. J. Volpe, T. Vartanian, Toll-like receptor 8 functions as a negative regulator of neurite outgrowth and inducer of neuronal apoptosis. J. Cell Biol. 175, 209-215 (2006). [Abstract] [Full Text]

N. R. Gough, TLR8 in the Developing Mouse Nervous System. Sci. STKE 2006, tw367 (2006).

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