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軸索誘導:ネトリン受容体のモーター

Axon Guidance A Motor for Netrin Receptors

Editor's Choice

Sci. STKE, 13 February 2007 Vol. 2007, Issue 373, p. tw47
[DOI: 10.1126/stke.3732007tw47]

Nancy R. Gough

Science's STKE, AAAS, Washington, DC 20005, USA

要約 : ネトリン受容体には、ネオゲニンやDCC(Deleted in Colorectal Cancer)などがある。これらの受容体は軸索誘導において機能し、ネオゲニンは反発性誘導キューへの応答、DCCは誘引性誘導キューへの応答に関与すると考えられている。ミオシンX(MyoX)は、細胞突起の形成に関与すると考えられている非典型ミオシンである。Zhuらは、Myo XのFERMドメインとネトリン受容体のP3領域を必要とする様式で、MyoXがネオゲニンやDCCと相互作用することを突き止めた。ネオゲニンは、モータードメインを欠損するMyoXとより強く相互作用したが、DCCは完全長MyoXに選択性を示した(脳において、選択的スプライシングにより生成されるモーター欠損型のMyoXが報告されている)。COS7細胞、ラット皮質ニューロン、ニューロン細胞株NLTにおける過剰発現実験により、MyoXとDCCは糸状仮足の先端部で共局在し、MyoXはこれらの構造へのDCCの移送を増加させることが示唆された。NLT細胞においてMyoXをノックダウンするRNA干渉実験により、内在性MyoXの非存在下で、神経突起へのDCCの局在化は減少することが示された(免疫蛍光解析に基づく)。NLT細胞は、MyoXがネオゲニンとDCCのどちらと同時に発現するかに応じて、ネトリンへの正反対の応答を示した。DCCとMyoXを発現する細胞をネトリンにより処理すると、神経突起とニューロン様の形態の形成が起こったのに対して、ネオゲニンとMyoXを発現する細胞は糸状仮足や神経突起をもたない広がった形態を採っていた。モーター欠損MyoXを、子宮内エレクトロポレーションを用いてマウス胚において過剰発現させ、これらのマウスからネトリンへの皮質外植片の応答について解析された。モーター欠損Myo Xを発現するニューロンは、ネトリンの非存在下では神経突起がより短く、ネトリンに応答する伸長が減少した。モーター欠損MyoXの胚内エレクトロポレーションにより、Myo Xが交連軸索誘導に及ぼす影響をニワトリ胚において解析することが可能となった。モーター欠損Myo Xを発現するニューロンは、正中線を交差できなかった。この研究は、モータータンパク質MyoXと細胞膜ネトリン受容体との直接的な関連を実証するものである。さらに、ネオゲニンと神経突起伸長や軸索誘導を阻害すると思われるモーター欠損型のMyo Xとの特異な相互作用は、ネオゲニンによる反発性シグナル伝達メカニズムが存在する可能性を示す。

X.-J. Zhu, C.-Z. Wang, P.-G. Dai, Y. Xie, N.-N. Song, Y. Liu, Q.-S. Du, L. Mei, Y.-Q. Ding, W.-C. Xiong, Myosin X regulates netrin receptors and functions in axonal path-finding. Nat. Cell Biol. 9, 184-192 (2007). [PubMed]

N. R. Gough, A Motor for Netrin Receptors. Sci. STKE 2007, tw47 (2007).

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